ヤマギシのむらnet

タイ実顕地より皆様へ



 
 タイの洪水の様子が日本でも大きく報じられ、実顕地の人、会員さんや活用者の皆様からタイ実顕地を心配してのメールやファックスをたくさん頂きました。みんなに支えられて、この実顕地があることをあらためて実感しました。ご心配頂き、ありがとうございました。
 

 
 タイ実顕地は1988年にスタートし、以来、23回の雨季と乾季を通過してきました。日本でもその年年で気候が異なるように、タイでも一度として同じ年はありませんでした。1995年には初めて大規模な洪水を経験しました。その時はなす術もなく、畑も養殖池も水に浸かってしまいました。その苦い体験から、「雨が何日続いたら危ない」「この雨の降り方は怪しい」という知恵を学びました。今年は雨季の中休み(雨季でも雨が降らない日が続く)がなく、7月8月と雨が続き、これは危ないと判断して、畑から池まで大規模な堤防を築きました。畑に入った水はどんどん排水しました。その効果があって、洪水の最中でも野菜を切らすことなく供給することが出来ました。
 

 
 一方エビ工場は、高い位置に建ててあったので被害はありませんでした。原材料も早くから確保してあり、問題はありませんでした。ただ、肝心要の社員さんが出勤できません。それでも、なんとしても輸出したいという皆の固い意志がありました。それで舟やトラックで2ヶ月間送り迎えをして、製品を仕上げ、余裕を持って輸出の日を迎えることが出来ました。こういう時期なので衛生面には今まで以上に神経を使いましたが、HACCP方式で工場を運営してきて、社員さんの中に「衛生」がしっかり入っているので不安なく製造することが出来ました。
 

 
 タイ人は古来、水に親しみ交わる「親水の精神」を尊び、大切にしてきたそうです。「水に魚棲み、田に稲あり」と、ランカムへーン大王の時代の石碑には刻まれているそうです。今また、その精神に立ち返ろうという気風が出てきているそうです。未曾有の大洪水を経験して、大切な心を取り戻そうとしているタイの人達の高い精神性に頭が下がります。この国に実顕地があることの幸せを感じます。エビ加工品を通して日本の皆さんとタイの人が繋がってきましたが、これからはさらに深く広い交流が出来たらいいなあと思っています。これからも、どうぞよろしくお願いします。

【2011年11月17日 タイ実顕地一同】