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みかんの取材で六川に行きました


みかん畑からの眺めは最高ですね。

みかん畑からの眺めは最高ですね。

先週、みかんの取材で六川実顕地に行ってきました。
有田ICを降りると、さすが有田みかんの産地だけあって、あっちこっちにみかんの木がいっぱい見えてきました。

有田川町市街を通り過ぎて山道をしばらく走り、六川実顕地到着!
僕が初めて六川に来たのは、高等部予科の冬(もう22年も前のことです・・・)ですが、みかん山に囲まれた景色やよく手入れされた村の庭はいつ見ても素晴らしく、何か温かいものがあります。

村の庭

村の庭

早速、本題のみかんの取材と写真撮影に入ります。

今回話してくれるのは、ここで生まれ育ち、気付いた時にはみかんをやっていたという上門孝年さん(44歳)。それから、高等部時代にこの村に触れ、一志・アメリカ実顕地を経て、やっぱりこの村の人たちと一緒にやっていきたいと9年前からやっている青木雄一郎さん(40歳)。

上門孝年さん(44歳)

上門孝年さん(44歳)


Q.ここは全部山の中の段々畑ですが、大変ではありませんか?みかんづくりをやっている理由は?

上門: そりゃおもしろいからやってるつうのあるわな。えらいんやけど、何がおもしろいっていってもな、みかんづくりがおもしろいっていうか。
みかんの出来映えがある程度自分たちの描いてる味とかにできてるというのがおもしろいとか、こんなふうにやったからこんなふうな結果がでたなっちゅうおもしろさとか。
お客さんが美味しいって喜んでくれはるとかそんなところにやりがいがあるわな。

Q.果樹栽培だから1年先または数年先を描いて、それが結果につながるのが面白いということですか?

上門: こうやったらこうなるんやないかというのは確率から言ったら半々くらい。もうここ5・6年くらい異常気象やけど、そんな中でいいみかんを作るのには、こんなふうにやったらええんじゃないかあんなふうにやったらええんじゃないかというのを模索しながら、やっていくのがおもしろいっちゅうか。

今年はもうちょっとみかんの摘果を落としたほうがよかったなとか、ああでもないこうでもないとか言いながら、やっていくっていう、それをわい(私)と雄一郎と二人おってやるっちゅうおもしろさがある。

二人以上おって、ああでもないこうでもないって言いながらやっていくおもしろさもあるのかなと思うし、それは村(実顕地)ならではかなと思うし、特にお金のためにこれをやってるわけでもないってのもあるしね。そういう環境の中でやれてるから大変やけど、おもしろいってのはあると思う。こういう生き方の中でみかん作りをやる、それが一番大きいんかなっていう気がするかな。

えらいんやけど、みかんづくりがおもしろいっていうか。

えらいんやけど、みかんづくりがおもしろいっていうか。

Q.今年のみかん栽培で心かけてきたことは何ですか?

上門: 今年は春先の防除を一回抜いてやってみた。だからって特に出来ばえに影響はなかったよね。4月5月に晴れがずっと続いたからかもしれんけど。

みかんづくりは自然相手やから、こうやったらこうなるいう決まったもんも無いんよね。何十年やってる人でもM・Lサイズのみかんを作ろうとしてLLサイズのみかんしかできんかったちゅうこともあるし、しかも熱心にやった人ほどそういう結果が出てるから、何十年やっても素人やなっちゅうかよ。

ただ一年一年見てきたって経験数だけ多いっちゅうだけでええみかん作れるんかと言えば、またそれは別の話になっていくわな。

だから、どれだけ経験にしがみついてみかんづくりをするか、してないかっていうか、そういうの大きい感じするわな。こうやったからこうなるってそれはその年にはそうやったっちゅう参考程度にしかならん。

じゃあ、それを参考にしながら今年はどうやっていこかというふうにやっていくのが賢いみかんの作り方やなて思ってる。そのまま、自分たちはそういう生き方をやってるちゅうか、知らず知らず、決めつけずに方程式にもはめずやってるんやないかな。

青木雄一郎さん(40歳)

青木雄一郎さん(40歳)


Q.青木さんはなぜここでやろうと思ったんですか?

青木: ここでやりたい原点はさ、みかんに惚れ込んだ訳ではなくて、ここでやってる人に惚れ込んだ訳だから、「この土地だったら絶対うまいみかんができるぞ」と言ってここに来た訳じゃないんよ。だから、みかんのことは全然分かってないし、自分達のやってる仕事は確かにえらいけど、一年一生懸命やっていても、みかんの味だっておおかた天候で左右されたりすることも多いんだけど、自分らが食べてホンマうまいみかんがいいなとか、子供らが食べて美味しいって言うようなみかんができたらいいなあとか思う。

去年なんか全然うまくなかったから、申し訳ないという気持ちもありながら出してた訳よ。だけど、朝市に出してくれんかとかと声をかけてくれると、やっぱ嬉しくなるし、今年はそら去年より美味しいの出来たでって各地に出せるのは嬉しい。

もちろん今年のみかんは美味いなとか聞くと嬉しいけど、それは実は大したことじゃなくて、どっちかというと如何にここ六川の連中で楽しくやってるかっちゅうか、仕事はきついけど楽しくやってるかというか。

仕事がきつくてやめたいとかそんなのないじゃん。やっぱそういう意味では一緒にやっていて楽しいなっていう連中と、うまいみかんができればこれ以上のものはない。そんな気がしてる。

秋晴れとみかん

秋晴れとみかん

みかん栽培のことを聞きに来たのに、なんだかそれ以上の深いものが伝わってきました。
「段々畑だから水捌けが良く特別なことをしなくても良いみかんができる」
「みかんに適している気候・土壌による味の良さ」
「除草剤を使わない栽培で糖度を上げている」など、
栽培方法の面でも素晴らしい点がたくさんありましたが、それ以上になんとかこの人たちのことを伝えていきたいと思いました。どうしたらいいかな・・・

今年は小ぶりが多いです

今年は小ぶりが多いです

ところで、今年のみかんは例年より小ぶりが多いようです。畑に登って幾つか試食させてもらったのですが、味は最高でした。今のところ11月25日前後から出荷予定です。もちろんネットストアでも買えますので、ご利用ください。

【豊里実顕地 尹誠浚】