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初釜【豊里】


四季折々のお茶会をさせていただいていますが、やはり初釜は新年最初のお茶会であり、それにふさわしいお道具やお菓子を考えるのは楽しみです。
そしてみなさんに今年も変わらず、初釜でお会いできることをとてもうれしく思っております。

掛け軸

無事是貴人(ぶじこれきにん)

無事是貴人

無事是貴人

今年も無事に過ごせて、よい年になりますようにという願いを込めて掛けました。

=茶道大辞典より=
無事是貴人
禅語「臨済録」に「無事是れ貴人、ただ造作することに莫れ、ただ是れ正常なり」とあるのに基づく。ここで「無事」とはあれこれ小細工しないことの意味で、悟了同未悟の境涯からいささかも作為することなく自然に働きだすこと。また「貴人」とはまことに高貴な道人というほどの意味である。無事境涯を得てはじめて、是れ真の道人、貴人というものだというのが、この語の大意である。

椿を二種生けました。紅唐子と小玉椿、花入れは備前です。

茶碗

今年の歌会始めの御題「立」にちなんだものを選びました。
主茶碗は富士山の黒茶碗、富士山はそびえ立つという表現をされる事があります。
お点て出しで御本手と黒楽のどちらも立鶴の筒茶碗。立鶴はおめでたい柄でそれぞれ違った表情が楽しい茶碗です。

お菓子

粒あんを紅白の練りきりで包み、小豆を一粒飾りました。小正月には小豆粥をいただくことから小豆を使ったお菓子にしました。
銘は「相生」にしました。文字通り一緒に育つことです。
相生の松といえば、同じ根から分かれて成長した松のこと。おめでたいハレの日に使われるお菓子をアレンジしました。

相生

【豊里実顕地 横田陵子】