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カザフスタンの友人


スラッと背が高くかっこいい男性と凛とした美しい女性が福島千鶴代さんと歩いている。

日本人のお客様?
カザフスタンで日本語教室を開くカンキさんとローラさんでした。

「日本人と似てるね」
「えっカザフスタンってどこ?」
「千鶴代さんとどういう関係?」

愛和館や職場で話題になりました。
早速、肉牛部ではインターネットで世界地図を出して、カザフスタンを調べ、盛り上がりました。

千鶴代さんが2年前、松阪で初めて薪能を見た時、偶然隣りに座ったのがローラさんでした。
日本人だと思って

「どこからですか」と尋ねたら
「カザフスタン」。

日本にはロシア語で芭蕉の俳句を知り、日本語でないと俳句が分からないと思い日本語を勉強して来たそうです。
ところが、こんなに近くにまで来ていながら、芭蕉の生家を訪ねていないと知った千鶴代さんが、後日芭蕉の生家を案内したのが始まり。

「偶然と言っても運命的なものを感じる。たくさん人がいるのにチズヨさんの傍に座った」

とローラさん。

若い頃から理想の世界について考え、大学生の頃は共産主義について学んだそうです。

今回は新婚旅行も兼ねて夫の神吉さん(日本人)と来日し千鶴代さんに会いに来ました。

「ヤマギシに来てよかった。昨夜はカザフスタンにも同じようなものができたらいいなと話していました。ヤマギシの“村”と聞いて簡単な家とか思って来たら、なんでもあるし、素晴らしい建物と生活、きれいで驚いた。」

「普通殆んどの人は考えないけど〈一人ひとりが働いて、自分の幸せでなくみんなのために働く〉幸せそうに見えた。でも本当の幸せか、聞きたい。」

「これからは、日本の文化を紹介し、日本語を教えながら日本に興味を持っている若者を日本に送り出せる日本の文化センターを創りたい。勉強や仕事だけでなく家族のような居場所をつくり、日本の文化が好きな貧しい人にチャンスを与えたい。日本に触れることで大きく躍動できる。日本人のような人を育てたい。」

と話してくれました。

千鶴代さんは
「不思議なくらい、うまが合うの」と笑っていました。

カザフスタンがどこにあるかは知らないけど、人間ってなんだろう、人は幸せを求めて生きていると、あらためて思わされました。必ずまた会える日を、楽しみにしています。

【豊里実顕地 喜田栄子】