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雑誌に紹介されました【ファーム】


NAGI 63号 月兎舎より

NAGI 63号 月兎舎より

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人気の豚肉丼

高野尾の牛・豚、伊賀の野菜、一志の卵…
村人たちがつくり食べている農産物を直売

ヤマギシ豊里ファーム 津市

伊勢自動車道・芸濃IC近くの農産物直売所が、新鮮で安くておいしいと津近郊の主婦に人気を集めている。
オープンは二〇一三年の春。運営しているのは、現地に拠点を置くヤマギシ(農事組合法人)だ。
「野菜や肉牛は高野尾、鶏は美里、豚は志摩、卵は一志。自分たちが育て、ふだん食べている農産物を販売してます。だからレジ係も、肉を切ったり値札を貼る人もみんな農家。野菜や果物に、作り手の個性が表れていますよ」
店長的役割を担う藤井正洲さん(37)はヤマギシ内の学園出身で、二十歳から正式な村人となった。
ヤマギシ会を知らない方のために、少し説明をしよう。同会は滋賀県出身の故・山岸巳代蔵が、物質的にも精神的にも満たされた理想社会をめざそうと一九五三年に京都でスタート。
農業を軸とした無所有共用のコミュニティで、国内に二十数ヵ所、スイスやブラジルなど海外六ヵ国に実顕地を展開している。
三重県内にも伊賀や四日市など六ヵ所あり、うち一九六九年に開村した津市高野尾の豊里実顕地が最大規模で四百数十人が暮らしている。
現金収入を得るため、かつては市場流通以外に移動販売車を各地で走らせていたが、交通事情等により、近年は直販所とネット通販に力を入れているとのこと。
天井が高く、ガラスや鏡張りの多い店舗は農産物直売所には不似合いだが、
「地続きのパチンコ店が売りに出たので、購入して販売所にしたんです。壊して建て替えるのもったいないでしょ」と聞いて納得。おかげでトイレはゴージャスだ。
店内には軽食コーナーが設けられ、店外にも野菜苗の販売所(春・秋)や、土日のランチ時だけ開く屋台村のような一角が。焼き鳥や豚肉丼が気軽に食べられると、孫を連れて食事に来る高齢者も。
津の中心部にはなかった道の駅のような存在である。

NAGI 63号 月兎舎より