松阪仔牛市場で豊里の牛貢献
全農みえ畜産部は10日、23回目の松阪仔牛市場並びに仔牛共進会を開いた。今回は三重県下の畜産農家や県畜産試験場、和歌山県から、101頭が参加し、全農みえ念願の100頭規模の市場を初めて開催する運びとなった。
100頭規模の市場開催に向け、豊里実顕地肉牛部でも、受精卵移植による受胎率向上や健康な仔牛を育てることに取り組み、はじめて83頭の仔牛を出品し、大きな一役を果たした。
共進会では去勢部門、雌の部門とも1位は個人の農家であったが、2位3位を両部門で表彰された。
共進会の審査講評の中では,
選ばれた牛の話より「全国の仔牛価格は鰻上りで天井知らずという状況で、単純に考えたら、こんな高く売れるんだったら、みな仔牛作って大儲けすればいいと簡単に思うのですけど、簡単にいかない所が悩ましいところで、私も仔牛を育ててますので、ようわかりますけど、仔牛は肥育牛と違って、非常に難しいい。技術、健康管理が難しくて、実感しているけど、これは人を育てていくしかないですね。ハード面でいくら整備して、いくらやってもこれだけはできない。だから大資本家が手を出せない分野な訳ですね。これだけはコツコツと技術者を一人づつ育てていくことしかできない訳で・・・・続く」
の話が心に残り、1位にはならなかったけど、時間をいとわず世話をするメンバーと、かわいいとそこを一緒にやる20代の女の子や肉牛部の毎日があっての83頭だなぁと思った。
なんで100頭なのかを高橋さんに聞いてみました
「全農みえ畜産関係者のかねてよりの念願だった!!ヤマギシさんが70頭出してもらえたら、達成できるっていう話はありましたが、なりそうでなかなかいかない夢のような目標なのかな!?っていう感じでした。
あまりに早く達成してしまい、たまたまだけど、やや拍子抜けの感もあるが、コンスタントに目標にいけるには、まだまだ次の段階です。
ただ、部長から来年度、セリの機械更新して、もっともっと市場を盛り上げていくとの話もあり、ガゼンやる気が出ます」
百町で仔牛を見ている大江明美さんは
「ど素人集団の私たち。80代現役の菊池さんから20代の女の子、牛に全く興味ないというおじさん、言葉の通じないモンゴルの実習生らと、あ~でもないこ~でもないと、朝と昼の哺乳時間など決めるところは決めて、みんなで心を寄せてやってきました。仔牛が足りなくて値段が上がっているのに甘んじないで、本当の意味でのいい牛を育てていきたい」
育てた牛が受賞した実習生ダワさんのコメント
「初め、牛はかわいく思わなかったけど、毎日お世話しているうちにかかわいいと思うようになっていました。今日は私のお世話した牛が賞をもらい、うれしかった。仔牛の世話を続けて来てよかったなぁと思いました」
菊池さんは共進会が終わってもまだ、一頭づつ愛おしそうにブラッシングしていました。
どんな気持ちなのかな・・・。
83歳です。肉牛に配置になって5年。いつも牛のブラッシングをしています。自分が行くと牛が来てくれ、来てくれと3頭も4頭も頭を寄せてくる。
虚弱児で歩けなかったのを、父親が乳牛を飼ってくれて、牛乳で育ったようなものなので、恩返しです。若い時は別海で競にも行ってたし。市場では自分の牛だけこするのは、ちょっと気が引けて、どの牛も一緒だと思って101頭全部やりました。
牛たちも朝早くから来ているからか、疲れて寝ちゃうのですぐ汚れるので、やってやると頭を寄せて来て、のどをさすってやると喜んで気持ちよさそうだった。やってるとどこの牛とかというのは、なかった。うちの牛はびくびくしないけど、はじめはちょっとびくびくしていた。
豊里ではウォーターカップが下の方にある牛舎は、糞が入ったりするので、日曜日でも必ず行って、ウォーターカップをきれいにする。水が飲めないのは致命傷だからね。つい、全部やってしまいたくなる。
菊池さ~ん ご無沙汰で~す。
お元気そうで嬉しいです。
自分の牛だけでなく、101頭全部ブラッシングしたなんて、菊池さんらしいです。
どうぞ これからも仔牛と遊んで下さいネ。お元気で~~(*^_^*)
会場には若い人達がたくんあつまり、活気に満ちていました。競市では次々と競り落とされ景気が良かったです。帰りの車の中で、菊池さんが、自分は幼い頃に牛の乳で命を救われ育てられた。生涯牛の世話をしたい、と話していました。牛と菊池さんの強い絆を感じました。