自動搾乳ロボット六台稼働
春日山でロボット搾乳が始まり、早8ヶ月が経ちました。
立ち上げの頃は、毎日色々ありました。今でも課題はありますが、牛もかなり安定してきて、パーラーに連れてきて1日2回絞っていた頃とはあきらかな異いが出てきました。
●1日平均3回搾乳になり乳量が増えた
●乳房炎がほとんどでない
●治療牛が1/3になった
●牛に見合った量の餌が食べられるので太りすぎ、痩せすぎの牛がいない
●人に追われることがないので人なつっこくなった
今までの体制からガラッと転換して、最初は牛も人も、てんやわんやでしたが、今こうして振り返ってみると、乳房炎が出て、何故だろう??と苦悩していたのが嘘のようです。
原因は人間だったのかな!?
牛は、毎日同じ餌を食べて同じように搾られて変化のない暮らしを好みます。
日替わりで色んな人がパーラーに入っていた私たちは「複数でやっても1人と同じ」を目指していましたが、最新の24時間ロボットには適いませんね。
労力の削減をねらい導入した搾乳ロボットでしたが、思わぬメリットに驚いています。牛の生態リズムにマッチして、持てる能力が発揮できる環境に近づいたのでしょうか。
それでもロボットを入れて良かったと思っている私に、「それは結果を見て良かったと思っているだけで、今から何が起きるかわからない。ロボットを入れたことによってこれから散々な結果になったとしても、やってきたことが良かったと思えるのか。」と研鑽会で聞かれてすぐには「良かった」と応えられませんでした。
でも考えてみるとロボットを入れようとしたことによって、職場の雰囲気は変わってきたし、春日山実顕地のみんなも活気づいてきたように思えました。
そして、振り返ってみると、今までの経験や実績を一度置いて「これでやってみよう!」という時、
どっちに転がるか分からない不安もあり、賭けのような一面もありますが、案外やってみると何でもなかったり、未知の世界が広がって来たりして、そんなドキドキも味わいながら、自分のこだわりや職場のこだわりに、ふと気付いたこともたくさんありました。
そういう新しいことに挑戦してみようということ自体が、とても大切なことのように思えました。
そして昨日からいよいよ、パーラーを使わず 、改造新牛舎の2台の ロボット搾乳がスタートして計6台になりました。
目に見える形の 変化と、自分のこだわりに気付く心の変化と、同時進行っていうところでしょうか。
春日山実顕地 稲井ゆかり
全てのフォトを見る → 新牛舎とロボット搾乳機
「それは結果を見て良かったと思っているだけで、今から何が起きるかわからない。ロボットを入れたことによってこれから散々な結果になったとしても、やってきたことが良かったと思えるのか。」と研鑽会で聞かれて~ このあたりのくだり、考えさせられます。
来年は豊里もロボット始まります。
春日山の経験や実績をもとに、ロボットへの移行に必要な準備・段取りはすでに始めていて、うまくいくだろうという感触はあるものの、飼育上のテーマを解決することは1番大切なことではないなと。
うまくいってもいかなくても変わらないところで、ここがすすんだといえる自分を用意していきたいと思いました。