11日間の韓国マジック【日韓青少年楽園村】
今回11日間(8月1日~11日)の楽園村に参加した参加者たちの様子を見ていて、秀樹さんは「これは韓国マジックだな~」と言っていましたが、それだけ子ども達は元気で思い切りやっていて、僕も日本の子達がそこまで積極的にやっていけるとは予想できませんでした。
韓国へ出発する8月1日の時点では、まだそんな様子ではなくて、声をかけても返事はないし、なぜかずっとだるいような感じでした。せっかく用意してもらったブリッジツアー(操舵室見学)でも、船長の話より、少女時代写真入りのジュース瓶に気がとられてしまって、「やれやれ、仕方ないなー」と思っていました。
しかし、デッキに出て瀬戸内海の景色を目にした彼らは、少しずつエンジンがかかり始めました。初対面の外国人とも自分たちから話しかけてみたり、船内での夕食でも「辛い!」といいながらしっかり食べ込みました。翌日は揺れが強くなってきて、船酔いをする子達もいたけれど、韓国の釜山に着くと「冷麺が食べたい、焼肉が食べたい」と、早速韓国料理に意欲を燃やしていました。
韓国実顕地へ向かうバスの中でも「あれは何の店?」「日本とは違うな~」とちょっとしたことでも面白がっていて、みんなの中に何かが始まっているようだなと思いました。途中、迎えのワゴン車が泥に嵌ってしまった場面でも、みんなで車を押しながら、「旅はこうじゃなくちゃ」と楽しんでいる様子。
翌日から韓国の参加者たちがやって来て、楽園村が始まったのですが、日本の子達からどんどん声かけていって、韓国の参加者の中には初参加の子が多数居たものの、無理なくみんな初日から溶け込んでいるような様子でした。もちろん、言葉はほとんど通じないので、少しの英語と身振り手振りでのコミュニケーションですが、それでいて違和感のない不思議な空間が作られていきました。
職場体験では、男子は鶏糞出し、女子はキムチづくりとキルティングと、最近は日本でもやらない鶏糞出しに男子の方がちょっと心配でしたが、一緒に動いてくれるハンギョル君とジェホ君にも引っ張られながら、思い切りやりました。一方、女の子たちは各種キムチづくりとキルティングを交代でじっくり楽しみました。
4日目は今回の楽園村の目玉企画とも云える世界遺産「水原華城」探訪でした。チーム別に自分たちで行き先と行き方を調べて、全旅程路線バスを使っての難易度の高い企画でした。この企画のためにスタッフのジェホ君とハンギョル君は下見を重ねながら相当な準備をしてきました。みんなドキドキしながらの出発、各チームに与えられたミッションを完遂しながら、水原の市場や遺跡を堪能できました。
最後のみんなの感想文には韓国の子も日本の子も「今回の楽園村、本当に楽しかった。ぜひ来年も一緒にやりたい」と、既に来年日本での開催を既定とした内容が殆どで、10日の釜山には今回釜山地域から参加した女の子たちが5人も現れてみんなを見送ったりと、この繋がりは当分続きそうです。
今回の楽園村で、日頃とは異なる環境でのいろんな出会いを通して、子どもたちに何か面白いものが芽生えたような気がします。特に所謂「もじもじ君たち」のように見えた男の子たちは、自分から進んでやってみようとする体験をいろんな場面で経験できたことと思います。20年前僕自身がそうだったように、そんな新しい自分の姿に出会えた子ども達がこれからどんな風に成長していくのか、楽しみです。
最後に実顕地構成員8人という少人数ながらこの夏、子ども楽園村⇒日韓青少年楽園村⇒特講と大変な日程の中でも温かく子ども達を受け入れてくれた韓国実顕地のみなさん、本当にありがとうございました。