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ハロウィーンに想いをはせる


「ハロウィーンの時に子どもたちを受け入れてくれる人を募集します。」
と、村人窓口にハロウィーンのキャラクター付きのかわいらしい箱が置かれました。

 それを見た瞬間、
「え?何でここでハロウィーンなんていうことをするの?箱はかわいいけれど、私は乗る気にはなれない・・・」
と思いました。

 でも毎日毎日、村人窓口に行く度にその箱が目につき、
「うちの子どもたちの誰かが来るということなのだから、ちょっとやってみようかな」
と気持ちが動いて、名前を書いて箱に入れました。

 それからは、
「月末にすると聞いていたけれどいつなんだろう?」
と待ち望む気持ちになり、お菓子を買いに行って用意してからは、益々待ち遠しくなってきました。

 10月30日当日は、午後7時前後に来るということなので、バタバタと仕事をかたづけて部屋に駆け戻りました。
受け入れる部屋の目印にと用意してもらっていた、カボチャのお化けの札をドアノブにかけて待ちましたが、なかなか子どもたちは来ません。
何回も外をのぞきに出たり、カボチャの札が見えやすいようにと位置を変えたり、まだかまだかと待ちました。

 やっと仮装した子どもたちが訪れて部屋の中に入ってくると、
「トリック オア トリート」
と言うので、
「いたずらをしてもいいよ」
と言おうかなどうしようかなと考えていましたが、すぐにお菓子をあげてしまいました。
そうしたら、ほかにも何軒かまわるらしく、子どもたちはすぐに帰ろうとします。
「もう帰ってしまうの?」と聞いたら、
「うん」と言って帰っていきました。

 たったこれだけのことですが、この間ウキウキ・ワクワクと過ごしてきて、かわいらしい子どもを受け入れて、本当に楽しい思いをさせてもらいました。

 初めの私の、
「何でハロウィーンなんてするの?」
という私意の延長線上では、決して味わえないことでした。

 どの時点で、なんで変わっていったのかはっきりとは掴んでいませんし、特に私意尊重の「尊重」に想いをはせようと意識したわけではありませんが、公意行はとても楽しいものでした。

こういう事って、日常よくあることだなぁと思いました。

【春日山実顕地 柳 順】