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多摩実顕地交流で味わったこと・・・


多摩でのクリスマス会の風景

多摩でのクリスマス会の風景

少し時間が経ってしまいましたが、先日、多摩で一緒だった人が春日山を訪れたのをきっかけに、
これは忘れないうちに言葉にして、他の人にも伝えたいと思い、投稿しました。
昨年11月~12月にかけて、約2ヶ月程、カントリー(パンの店)がクリスマスシーズンで忙しくなるというので声がかかり、行ってきました。
 
初めての職種、初めて出会う人、何もかも全く知らないことばかり、・・・不器用で、なかなかうまくできない、当たり前と言えば当たり前なのですが、
何せ、半端なく忙しい・・・、調子のよかった膝も、持病が悪化して、休み休みやらな いと、立っていられなくなり・・・・。

・・・こんな自分が、来てよかったんだろうか?
同じ日に働き始めた若い女の子と比べて、過去に、高等部で仕事が出来ない自分が辛く経験したこと、劣等感に悩まされてきたことなど、
一気に思い出して、何で今更・・・??ていうくらい落ち込んだんです。
思い切って、職場の人に打ち明けたら、「そんなことない」、と目に涙をうかべながら言ってくれて、じーんときて、社員さんも、「来てくれて助かってるよ」
と真剣な顔で言ってくれました。

なんとか元気を取り戻し、頑張ってやっていましたが、そろそろ予定の一ヶ月になろうとしていたある夜、ロビーで、「帰ろうか、もう少しやろうか 、どうしよう。」と
ポロっとみんなの前でこぼしたんです。そうしたら、一斉に全員が私を見て、
「最後までいなきゃ!!クリスマス会一緒にやるんだよ!!」と言ったんです。
一緒にやるのが仕事ではなく、クリスマス会だったのですが、そのとき何故かみんなの笑顔がどーんと、私の中に入ってきたんです。
それは衝撃でした。 迷っていた思いが吹っ切れ、そうだ、このまま先に帰るのは寂しいじゃないか!と、急にやりたくなったんです。

予定の一ヶ月を延長し、最後というのは一応の目処が付く日にちまで、みんなとやりきりました!!
その翌日からです、何かがガラっと変わったのは・・・・。

職場の一人ひとりが大切に 思え、みんなにも思ってもらい、そんなみんなの中にいられる、
一緒にやれる、そのことが、只々、嬉しくて、もう楽しいだけの世界になっていたのです。
毎朝パン屋の扉を開けて、「おはようございます!」と言うその瞬間が、何とも貴重で、嬉しい一瞬になっていたのです。

今日もまた、みんなと、一緒に、一日を創っていける・・・!!
劣等感も嘘のように、消えてなくなりました、なんてちっぽけなことで悩んでいたんだろう、と・・・。

不思議なことに、その日を境に、嬉しいことが、次々に起こりました。
苦手だった人とすごく仲良くなったり、戸惑うほど人から親切にしてもらったり、他職場の人にも沢山声をかけてもらうよ うになり、
多摩の人たちには本当に可愛がってもらいました。
気が付くとクリスマス会で中心になって、歌ってました。(笑)

最後、職場の社員さんが、いなくなるの寂しい、と言ってくれました。
そんなふうに言ってもらえるなんて・・・、嬉しいやら、悲しいやら・・・。(涙)

そしていつの間にか、人のことを思えたり、優しい自分になっていました。
最近ずっと、そんな自分に出会えていなかったので、とにかくそれが、嬉しかったんです。

今も、思い出すと温かい気持ちに包まれます・・・。
帰ってきて今、自分の至らなさで、壁にぶつかってばかり、まだまだ未熟で、課題山積みの自分ですが、
思い出しては、立ち返りたいと、これを活かせるようになりたい。そんなふうに今思います。

みなさんに感謝、どうも、ありがとうございました。

春日山実顕地 出原亜紀子