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地域社会の中での
ヤマギシの畜産
【前編】


 先日会員の集いで開かれたシンポジウム『地域社会の中でのヤマギシの畜産「現状と今後」』をお伝えします。

 飼料稲や発酵飼料など、最先端の畜産について聞きたい会員さんと、仕事が面白くてたまらない畜産部門5人のパネラーで、楽しく循環農業の真価にせまったシンポジウムになりました。

 途中、マイクが回ってくるのが待ちきれない場面もあり、時間が足りないくらい盛り上がりました。

 2回に分けて前編にパネラー豊里産業部の平本和之、肉牛部の高橋護、乳牛部の村岡悦史、養豚部の生原秀幸、餌関係をみている飼料センターの井波茂樹の話を、後編に会員さんからの鋭く温かい質問に応えての質疑応答の二部に分けて掲載します。
 

【テープ起こし:豊里実顕地 喜田栄子】


シンポジウムテーマ

地域社会の中でのヤマギシの畜産


地域社会の中でのヤマギシの畜産【前編】パネラー発表

 進行の山田直子です。

 稲わらと堆肥の交換については聞いていましたが、何度か生産物体験ツアーに来て、飼料稲や発酵飼料の話しを聞き、ここまで進んできているのかと感動し、是非みんなに聞いてもらいたいと思いました。

 パネラーの方達に、取り組んでいることや描いている辺りを存分に語って頂くのですが、皆さんも聞いていて質問とか感じたことがあれば途中でも遠慮なく発言してください。みんなで作っていきたいと思います。

自己紹介をお願いします。

豊里産業部の平本和之です。

肉牛部の高橋護です。

乳牛部の村岡悦史です。

養豚部の生原秀幸です。

餌関係をみています飼料センターの井波茂樹です。

日々進化変化の畜産

飼料イネ


平本:豊里実顕地ができて、43年目。最初は養鶏だけだったのですが、4~5年目位から養豚、養牛が始まり、ヤマギシズムの考え方を基調とした自然の循環の理に沿った畜産農業を一貫してやってきました。

 振り返ってみると、日本社会の変化や世界的な変化に対応して、実際私たちのやっている畜産もどんどん変化・進化しています。

 例えば私が参画した1974年の頃、町に小さな魚屋さんがいっぱいあり、その魚屋さんを朝早くに廻ってそこで出てくる魚のあらをバケツ1杯2杯と集めてきて、それを乾燥させて魚粉にして餌にする、そういう時代でした。

 小売業の形態が大型化してきて、スーパーとかショッピングモールとかコンビニとかに変化してくると、そういう大型商業施設に納入する生産業者の方も大型化してきます。

 例えば豆腐であれば、町の小さな豆腐屋さんで作っていたのが、大きな工場で一日何トン何10トンと生産し、副産物のオカラも大型トラックで運ぶとなってきて、そのオカラを使う方もそれに見合ったキャパとか技術がないと使いこなせない状況になってきます。

 パンも大きなパン工場からパンの切れ端とかが1日何10トンと出てきます。

 酪農の形態も自分達で牧草を生産して、それをサイロでサイレージにして牛に年間を通して与えるのが主流だったのですが、だんだん日本経済が強くなってくると円高が進行し、円が強くなると牧草は作るより外国から輸入して来た方が安いという状況が生まれてきました。

豊里実顕地産業部 平本和之さん

 飼料用の米もこの3年位、毎年倍倍の量で増えています。
 ヤマギシでできる堆肥を田んぼに入れながら、地域の土地を豊かなものにしていこうとずーっとやってきたのですけど、ここ何年か田んぼを有効利用して行こうと国の政策的にも進んできて、去年は飼料稲とか飼料麦とかの話をさせて貰いました。

 オカラもかなりの量を使ってきたのですが、非常に腐敗しやすく、大量にくると早く使ってしまわなくてはいけないという問題があって、いろんな形で検討してきました。

 今年になってオカラを本格的に嫌気発酵飼料という形で牛に給与していこうとなって、大きく進歩してきました。

どういうことがあっても、それに合わせて牛を飼う面白さ

肉牛


 高橋:肉牛です。

 供給の研鑽会で、今年の暮れは良い黒毛和牛を出していこうと供給所のメンバーは盛り上がって、黒毛和牛の中でもランクの一番いいA5をブロック毎に1頭ずつ出していこうと注文受けちゃったらしいです。

 肉牛では餌を大きく変えて、夏ごろはもうひとつだったと思ったものだから、9月の終り頃に3頭注文受けたと聞いて、えーっ、供給所の人が頑張って注文を貰って来ても、年末までに出せるかどうかわからないぞと話をしていました。

肉牛部 高橋護さん

 それが、なぜか10月の終わりくらいから続けてA5が出まして、11月の初めでなんとか注文を頂いた3頭までは手配でき、精肉の方で精肉しておりますのでご安心下さい。

 自分にとっては神がかり的で、なぜ急に良いのが出始めたのかよくわからないのです。

 餌を変えてみて、あるとき家畜診療所の赤松獣医が、もうちょっとムギよりもワラをやった方がいいんじゃないかって言ってきて、普通ワラと言うのは仔牛とか繁殖には沢山食べさせるのですが、最後の仕上げの牛には最低限でやっていました。

 試しに騙されたと思って、ワラをやり始めたら、いつもあんまり食べていないのに、目の色を変えて牛が全部起きて食べに来るんですよ。肥育の牛であんな風に起きて食べに来るというのは自分にはちょっとビックリで、それを続けてやっていたら、なんかちょっとサシが入って、モモまでサシが抜けるというのは、肉屋さんはすごく喜ぶのですが、そういう牛が何頭か出ました。

 最後にA5の牛を業者さんに頼んで挽いてもらうのですけど、その肉はえらい良かったぞと褒めてくれて、滅多にそういうこと言ってくれないので、逆に驚きました。

 自分も肉を見ているのですが、夏くらいにちょっと変わってきたなぁと思ったのですが、そんなに長続きしなかったんです。今度はちょっと本物かなと、これも分からんですけど・・・。

 実際に現物が観れますので、こうしたらどうなるんだろうと、肉を見たり、仔牛の発育を観たり、繁殖の成績を見たりしながら、数字や目で見て、これを一つ変えたらこんな風になるんだなぁと、それを肉牛のメンバーで、ああでもない、こうでもないと言いながらやっています。

わらを集めたり牧草を作りながら牛を飼う

 自分の中で印象に残っているのは、10年位前に豊里でだいぶ人が離れた時に、ネオポリスの野菜を作った畑が空いてきて、牧草を、牛の食べさせる餌を作らないかと言われて、牛を飼っているだけじゃなくてわらを集めたりとか、牧草を作りながら牛を飼うみたいな頭に変わって来ました。

 毎年毎年違うのですけど、1年の天気っていろいろですが、わらを集める時期は、この辺だったら8月の終りから9月の初めで、この2週間か3週間位の天気が1年のいいわらを集められるかどうかを左右する感じです。

 3~4年前かな、ずーっと天気が続いた時にメッチャクチャ一杯わらが集められたんです。うちで1年間に使う量は3000個位なんだけど、5000個集まってすごい喜んでいたんです。

 そしたら飼料稲も作って貰っている農家の人が「稲が茶色くなってきたすぐ見に来い」って言って、飼料稲が日照りで枯れだして来たんですよ。

収穫したわら(ロールベール)を、発酵飼料(サイレージ)にするため、ラップして積み上げた山。

 この辺はコシヒカリが多いもんだから、8月の終り位に用水が止まっていたんです。この頃ってまだ暑いんで、水を止めると天気が良かったら日増しに乾いていく感じで、お米は水が無いと作れないということを実感した年でした。

 とにかくそう言う事を通して牛を飼うのがますます面白くなってきた感じです。

豊里乳牛の餌が激変

乳牛


 村岡:僕は乳牛部で餌の設計を担当しています。

 この5~6年は豊里の乳牛にとって、餌が激変してきた過程だったなぁと思い返しています。

 豊里の乳牛部は伝統的にわらと堆肥の交換で、わらをずーっと使い続けてはいたのですが、それと並行して結構な量の輸入牧草も使って牛を飼っていました。

乳牛部 村岡悦史さん

 そういう中で飼料稲が6年前に始まって、どんどんどんどん作る量が増えて、飼料稲を使う量を増やしていったら、輸入牧草の方の使う量が当然減ってきて、実際は去年位まで、豊里の乳牛部で使っている牧草については、殆んど輸入牧草から飼料稲とか飼料麦に置き換わってくるようになりました。

 自給粗飼料で牛を飼うのは、一般には、北海道とか広大な牧草地があってやれる所なら可能だけど、本州でいつの間にか自給牧草主体に乳牛を飼うとなっちゃたかなという感じです。

 青蓮寺農場のデントコーンを牧草として使っているのですけど、今年は特に豊作だったということで、飼料稲、飼料麦、とうもろこしサイレージ併せて、今後一年の豊里乳牛部の粗飼料、牧草の餌が決まったなぁというところまで来ました。

 2月頃、オカラを主体に乳酸発酵させた物を牛の餌に使う動きが新たにスタートしたのですが、それもあれよあれよと言う間に飼料センターの井波さんの方でどんどん作ってくれて、一杯在るから乳牛へということで、どんどん使っているうちに(笑)

本州で自給牧草主体に乳牛を飼う
(青蓮寺農場のデントコーン収穫風景)

 現状のことで言いますと、乳牛というのは1頭当たり1日50キロ位の餌を食べるのですが、その内の20キロ、40%はオカラを発酵させた発酵飼料がベースになって、それに飼料稲とか、デントコーンとか、わらとか組み合わさって、ここ豊里でしかないような牛の餌になってしまったという現状です。

 実際この間の餌の変化も結構あって、未だ試行錯誤の面はあるのですが、ある物を活用していく考え方のベースの中で、より良く活かしていく、その辺りを今現在も取り組むテーマとしてやっているようなところです。

新たな試みをしながら

養豚


 生原:豚の餌も、今、世の中に豊富にある物を餌にしていこうの考え方があってやって来ました。

 主にパンを使っていたのですが、去年一昨年から原料のトウモロコシとかが非常に高くなった時期があって、パンを普通の養豚家の方も使い出したんです。

 先々パンが入手困難になるのじゃないか、高い値段で買わざる得ないようになるのでは、と思っていました。

 隣にいる井波さんと何か考えたいねと言った時にね、冷凍のご飯があったのですよ。

養豚部 生原秀幸さん

 工場からのロスパンも少なくなる夏場に丁度ご飯が出てきて、ご飯を食べさすとどうなるのか、炭水化物ですから悪いようにはならないと思うのですが、冷凍物を餌の撹拌機に入れて混ぜるのと、どんな感じになるかなぁ、ちょっと心配しながらやってみたら、パンのパサパサ感と水分が、ご飯と上手い具合に混ざって団子にもならずに、パラパラっていう感じで、上手い具合に餌箱に落ちていくし、程よい水分もあるので豚も喜んで食べる、そういうことが分かってきました。

 現場の方も「今年の夏は全然餌量が落ちなかった、初めてや」と、屠場で競りに参加している時に隣の人が、

「ヤマギシさん今年の夏、豚どんな感じですか?あんまり出てこないのじゃないですか?」
って言われて、

「いやいや、よう食べてね、どんどん出ますよ」
と言ったらびっくりされて、一般では夏場食べさせるのがなかなか難しいらしくて、屠場に出荷計画出して予約していても、どうしてもキャンセルが出て、競りの頭数も減ってきたりとか、そういう中でヤマギシさんはキャンセルもなく、もっと出せませんかと言われて、待ってましたとどんどん出していったのが去年今年といった感じです。

すごいやり易い仕組みになっているなぁと改めて感じています。

 パンが年間通じて安定してあればそれに越したことないのですが、パンは一般の養豚家とか飼料メーカーの方もどんどん人気が出てきている中で、これから考えていきたいのですが、今ある物を使っていくというのは外さずにやってきたし、やって行きたいし、養豚だけでというよりも、うちは飼料センターがあって、鶏とか牛も豚の餌も全部賄ってくれているので、色々な物が入ってくるメリットもあるし、そういうこと考えると、ヤマギシの畜産というのはすごいなぁ、すごいやり易い仕組みになっているなぁと改めて感じていますね。

すべての物を活かして行く

オカラを主体に乳酸発酵させた飼料


 井波:ヤマギシでやっていくものとしては総ての物を活かしていく考えで、餌だけでなくダンボールとか、発泡スチロールとか、プラスチックとか、総て分類して活かせる方に流通しています。

 その中の餌として、地域社会から出てくる副産物を組み合わせで餌として使えないかということを昔からやって来ています。

 そういう事を畜産家の方にも案内しながらやってきました。

 今の畜産家というのは殆んどが副産物を何らかの形で使っていると思います。

豊里の畜産飼料関係図
(クリックで拡大)

 豊里ではどういう飼料を使ってやっているかを図で話したいと思います。

 今のところは自分達で作っている餌と、国内から出てくる餌と、輸入に頼らずをえない餌とに分かれているのですが、極力国内で調達できる物を飼料化していきたいと考えてやっています。

 大手の配合飼料会社で使われているのが、主に大豆粕とトウモロコシ関係の加工品です。

 大豆から油を絞ると、絞った後にはタンパクが残ります。それを乾燥して販売しているのです。タンパクを摂取するための餌ですね。

 ご存知のように大豆とトウモロコシは殆んど輸入です。僕たちの若い頃は1ドル=360円、今1ドル=80円割っています。そうすると360円の時代に入れていたトウモロコシも安くないとおかしいでしょう?逆に上がっています。

 なぜかと言うと、以前中国はかなり輸出国だったのですが、今は中国国内での消費が増えて輸入しています。中東でも酪農が盛んになって輸入しています。

 日本の畜産家は今の現状ですと、餌を高く買って、尚且つ出来た肉を安く出さなくてはいけないという状況になっているのです。

資料センター 井波茂樹さん

 今の各スーパーさんの肉売り場を見ますと、大体アメリカ産、オーストラリア産、最近ですと東欧諸国と言うように、肉の種類が移ってきています。100グラムの単価から考えますと、かなり国産の物より安いです。

 餌は高いが肉は安い、どう生き残っていくか、どういう努力をしていくのか、そういうことも含めて我々は昔から副産物を活用してきました。

 副産物をどのように活かしていけるのか、一つ一つすべて調べて、単品ごとにビタミンとか、どういう栄養素がどれ位含まれているのかを調べた上で計算して、組み合わせを考えるのです。

 副産物でかなり使われているのが先程からも出ているパン屑です。

 なんでこんなに使われるのかを言いますと、昔はですね、アンパン、ジャムパン、クリームパンこの3種類だけで良かったのです。

 今はメロンパンだけでも8種類、新作パンを作る時は何回か試作しますが、種類が変わる毎に、種類を作れば作るほどロスが出てくるのです。それはパンメーカーさんも困られています。アンパン、ジャムパン、クリームパンで満足して頂けたらロスも減るのじゃないか、とおっしゃっています。

 もう一つはコンビニがものすごく増えて、1日に3回焼き立てパンを届けているのです。

 店頭の品名一つ品切れさせたらペナルティ取られるから、注文が来たら必ず届けなければいけないらしいです。

飼料センター
運び込まれた副産物を活かす。

 生産する方は、注文の量が分からないじゃないですか、だから多く作って、その日余る位作って、またロスが出てくるのです。大手メーカーさんは、なんとかリサイクルしたいので餌に使って欲しい、昔からそういう事でパンは使われているのです。

 生産量も莫大な量でロスもかなりな量が出てきます。

 菓子メーカーさんの菓子屑も全く同じです。麺屑も出てきます。今も出ました米飯も出てきます。コンビニが増えて弁当ものがすごく増えて、弁当を専門に作られている工場からご飯だけがロスで出てくるのです。それを今使っています。

 オカラも、昔からオカラをうまく使っていくのがテーマでした。

 豆腐を作られているメーカーさんもオカラを乾燥して、乾燥オカラとして売ったりしているのですが、なかなか流通しない。不安定なんです。

 乾燥させるのは、水分が80%あるからものすごい経費がかかるので、メーカーの方からしたら、オカラその物をそのまま使ってくれるところを探していらっしゃるのです。今のところ一応、主に牛の餌で酪農、畜産家へ行っています。

 最近、顕著に表れて来ているのが液体関係です。

 一つは豆乳を飲む方が以前より増えて来ました。だから当然、豆乳の生産ロスが出てきます。

トータルで、国内物の飼料として自給率を上げて活用しています。

 ここのところ、多くなっているのが充填豆腐です。充填豆腐は豆乳を目一杯こぼれるまで流し込み、それからパックするのです。それを冷やしておけば豆腐になるのです。

 パックからあふれる位入れるので、いっぱい豆乳が出てくるのです。豆乳ですよ、タンパクがかなりあるんです。これも痛みやすい、次の日になったら腐敗、それをずーっと堆肥に入れていたらしいです。よう処理しないんですって。

 豆乳を餌として使ってくれる所を探していらっしゃった。うちに話が来まして、豆乳を一回乳酸菌とかで発酵して、飼槽に入れても腐敗しないようにして使うようにしたのです。

 豚の方で上手く飼料として活用しています。乳酸飲料もそうですね。こういう部類の餌が増えてきています。

 こういうのをトータルで、国内物の飼料として自給率を上げて活用しています。

 それから、この地域の農家の人との協力体制を組んだ上での飼料化ですね。

 一つは青蓮寺農場で、70町歩程やっているデントコーン栽培です。これも長くやって来ています。飼料用のトウモロコシを生産してサイレージ、嫌気発酵化して飼料化しています。あと生草、種を撒いて飼料用の草を生産して与えています。自家栽培です。

わらと堆肥の交換
(堆肥撒き)

 画期的に広がってきているのが、水田稲作飼料です。

 伊勢平野は昔からの米所で、水田を沢山の農家の方がやっていらっしゃる。その地の利を生かして、わらと堆肥の交換をやってきています。水田、畑、農家の方の土地を豊かにして行こうと昔から取り組んでやっています。堆肥を撒きに行って、稲わらを引き取ってくる。

 減反政策で減反した田んぼに、大豆とか小麦とか色々作っていたのですけど、農家の人はそれをやるよりも、田んぼに合った飼料稲を作るようになってきました。飼料稲は買い取ってくれる所を見つけて、そこと契約した上での国への申請になるので、使うところが無いと作れないのです。

 我々も飼料稲が純粋にそのまま大きく畜産にプラスになるのかと言えばそうでもないんですよ。

わらと堆肥の交換
(わら収穫)

 水分が高いですから、輸入している牧草というのは完全に乾燥して来ますから、栄養価地とか考えますと、総てがプラスかというとそうでもないのですけど、循環ということを考えると、飼料稲を使って堆肥を土に返す、いろいろなことを総合的に考えて飼料稲はプラスになるということで大分広がってきています。飼料麦も同じです。

 なんとかこれを自分達の餌の組み合わせによって、価値を上げて行くということをやっているのです。

 それから更に飼料米、飼料用に開発されたお米です。実が大きくて一反辺りの生産量が多いわけです。その代わり味は保証しない内容の米です。

 この地域の農家の方達も、やはり水田は水田として活用して行きたいと、小麦や大豆を作るよりお米を作るいう方向性もあって飼料米がどんどん広がっています。

 飼料米がトウモロコシに丸々替わるというのではないのですが、組み合わせによって、国産のお米を使って畜産をやっていきたい、という風に思っています。見た目は普通のお米と変わらないです。

 この地域で頂いている飼料米が、3年位前は50トン位で、年々増えてきて去年で120トン今年で240トン。安濃とかこの地域だけでも、倍倍倍と増えてきております。更に近隣の久居からも今年から180トン頂くようになっています。兵庫県で山田錦という酒米で有名なお米を作っている地域があるのですが、そこからも200トン入ってきました。

 まだまだこれから増える方向にあると思います。
 もう一つオカラを主にした発酵飼料も回しますので見て下さい。