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みんなが気になる実顕地運営(2)


みんなが気になる実顕地運営(2)
 
研鑽(研鑽会)を、物事を決めるためにやろうとしていないか?
 

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新しい年が明け1ヶ月がたちました。
先月の「正月、気になることがここにもあそこにも」というテーマでは、それぞれの中からわいてきた「気になること」がいろいろな場で出されてきました。その中からいくつか紹介したいと思います。

あるファームでは、生産物の価格について、期限が間近かなものについては値引きして売りたい。値引きはせず、それは持って帰り自分たちが食べ、より新しいものを買ってもらいたい。などいろいろと違った考えが出てきました。またこれまでにも、レジをバーコードにするかしないか、他のファームのチラシを置きたい人が出てきた時に、置くか置かないかなど毎日の運営の中でさまざまなことが出てきました。曜日によって担当者が変わるのでとりあえずどうするかはその日のメンバーに任されているそうですが、週に一度寄ってのファーム研では、このことについてどうしようか、という話題が多くなるそうです。あることについてみんなで考えていくときに、目前の懸案事項について一生懸命意見を出し合うことは多くても、どんなファームにしていきたくて、またどんな村づくりを描いて、というところから考えていくことや、出てきたことのどこを考えていったらよいかという観点は意外に少ないようです。このような話は私たちの暮らしや職場の中でも日常茶飯事ではないでしょうか。

豚肉のロースがたくさんあるので、愛和館でもたくさん使ってほしいとなった時に、「ミートセンターと食生活で研鑽する場をもとう」という意見が出たそうです。それを聞いて「これでは研鑽会が増えるいっぽうだ」「まずは食生活に、たくさんあるからたくさん使って。と一声かけてみたらよいのでは?」と思った人もいたそうです。
また、地域の会員さんからの、実顕地の場をかりて子ども合宿をしたいという提案に、「では研鑽しましょう」となったものの、○○のことについてはここで、○○についてはここでと、何カ所もの場で研鑽会を持ったにもかかわらず何も決まらなかったということもあったそうです。
昨年5月の「各職場のことは各職場だけで本当は決められない」というテーマも記憶に新しいですが、本当は決められないことばかりの中、一応決める場面で「研鑽会を持とう」「運営研につなげよう」となりがちな私たちですが、果たして研鑽会の目的は物事を検討することや何かを決めることではなかったはずです。
それでは研鑽会とは何か?研鑽会の目的とは?ということと同時に、決めるとはどういうことか?どこで誰が決めるのか?という問いが生まれてくるようです。

ある実顕地では車両をみている人が、駐車場にブロックをたて車の番号を書き入れ車ごとの定位置を作ったそうです。それをみて、「いろいろな要素があるのにな」とブロックをけとばした人がいるそうです。
またある実顕地では、お茶会用に子どもたちと和菓子を作ったところ、作った直後に体調を崩した子どもがいたことから、その和菓子をお茶会に使うのはどうなんだろう、という意見が出てきました。本当に出せないものなのか?子供たちが一生懸命作ったんだから出してやってほしい、という意見もある中で、どうしたらよいか決められず健康部で検討したところ、その生菓子をお茶会で出すのはやめておこうという見解となり、大方はやめておこうという空気の中進んでいったそうです。
後日の研鑽会でこのことが話題になったそうで、「いろんな意見が出てきたときにそのどちらでやるかの事柄ではなく、こんな時にどこを考えていったらいいのだろうか」「村全体のことについて、ある部門からはそう観えること、考えることも、何かもっとないのか?という視点がどれだけあるだろうか」など出されたそうです。

ヤマギシでいう「運営」の奥深さ、そして面白味をどの例からも感じとれそうです。日々の村づくりの中で、あなたと私の間にあるものはどんなものなのかを確かめていくようでもあり、繋がりを知り、私の立ちどころを知っていくようでもあります。この数年「一つ」をテーマに村づくりを進めてきましたが、研鑽会をする中で一つになるのか、まず一つになってから研鑽が始まるのか、日ごろの暮らしの中で一つになりあってこその研鑽会なのか、私たちにとって当たり前になっている「研鑽会」そのものについても探っていきたいものです。
今月は養鶏法研鑽会が春日山実顕地で開催される予定です。養鶏法の人とたちとの新しい村づくりを共に楽しみ味わっていきたいです。 

実顕地研鑽部