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木の花ファミリーとの出会い


木の花-本宅

去年11月に初めて訪問した実顕地メンバーと木の花メンバー。本宅の前にて。

 2010年10月に、T氏の講演会が春日山実顕地で2日間に渡り行なわれ、三重県地区の60名ほどが参加した。
 その中で、T氏の、現在の世界的状況・問題点の分析、これまでやってきた運動の内容紹介をふまえた上での、山岸会への提案があった。その内容は、これからの永続可能な社会のモデルとして、ヤマギシを広く紹介したい。ただし、現状そのままのヤマギシではなく、彼がヤマギシに提案したいことがあり、それを共に検討してもらえないか、ということでした。

 その内容の一部を紹介すると、今のヤマギシは、問題意識の高い人は訪れてくるかもしれないが、問題意識のない人はこの春日山の入り口に来ただけで、「ここに入っていっていいものだろうか」「なんとなく、入っていけない違和感を感じる」といった印象を与えていると思う。
 もっと、問題意識の低い人、ない人でも「行ってみたい」「また、来てみたい」と思えるようになりませんか。

 ヤマギシの目線からみたヤマギシの運動展開でなく、相手の目線(2カメ)、客観的目線(3カメ)、さらに4カメ、5カメという目線でヤマギシがどうあったらいいか考えてほしい、ということでした。

木の花-畑

畑の参観

 その講演会の後、その提案について検討する参加した有志の研鑽会が開かれ、Tさんが「ぼくのいうヤマギシへの違和感といういものがどんなものか、それが分かるところがあるから、ぜひヤマギシの人に行ってもらいたい。そこはヤマギシとは反対に、違和感のない、なんとなく楽しそうな、一度行ってみた人はまた行きたい、という感想が聞かれる、70人ほどの小さな共同体」ということで紹介された、静岡県富士宮市にある「木の花ファミリー」へ先ずは行ってみようということになりました。

 何人かの希望者がすぐに訪問を申し込んだのですが、その時点では、ヤマギシ、春日山全体には、Tさんの講演会の内容、ましてや木の花ファミリーというのは一体なんなのか、ということがほとんど伝わっていない状態でした。
 ですから、一旦訪問は延期して、先ずその内容を実顕地全体に伝え、いろいろな研鑽会で検討してもらい、ある程度伝わってからすすめることにしました。

 仲良し研、資料研鑽会、他各種研鑽会、そして10月の調正所運営研などTさんの講演会や、木の花ファミリーのことが話題となりました。誰が行くかということも、その後検討され、送り出されることになりました。
その間、約1ヶ月です。

 11月15、16日に春日山から、佐藤、岡野、福田律子、稲井ゆかり、豊里から、高橋護、谷口民子、沖永雅子、美里から、沖永建介の計8名が木の花ファミリーを目指して行きました。

木の花-いさおちゃん

見学ツアーで案内してくれたいさおちゃん

 到着してすぐ、見学ツアーだったのですが、以前ヤマギシで暮らしていたという佐藤秀子さんが懐かしそうに会いにきてくれました。案内のいさおちゃんは、一般のゲストと違って同じ匂いがすると言ってました。

 見学ツアーでまず驚いたことは、すべて包み隠さず話してくれるのです。聞いたことにはもちろん全て、それ以上に話してくれる。
 やれていることも、やれていないことも同じように話してくれる。木の花の日常生活万般にわたって。
 そして、昼食、幼児たちが「お祈り」と「いただきます」の声かけをする。
 そして、ご飯が豪華でおいしい。「これが玄米菜食???」というおいしいメニュー。
 後で聞いたことだが、今日のお昼のメニューはその日の朝に決まるとか。

 僕らが座った席の横に、木の花ファミリーの創始メンバーの通称いさどん(古田偉佐美さん)が座った。
 僕は緊張していたら、話しかけてきた。非常になじみやすい感じ。緊張感がなくなる。さらに驚いたのは、その創始メンバーのいさどんがゲストと話しているところに、ファミリーのメンバーが話しに割り込んでくるのです。その状態をそのまま当たり前のようにいさどんはじめそのメンバーたちはいろいろと僕たちに話しかけてきます。
 このファミリーの中には上下観がないように思いました。名実共にファミリーなんだ、と感じました。

木の花-育児体験

育児体験で赤ちゃんにご飯を食べさせている福田律子さん

 昼食をしながら、いさどんがいろいろと話しかけてくれて、今まで木の花の歴史の中でもヤマギシに関連する人との出会いがあったり、いさどんのほうから発信したことがあったそうですが、現役のヤマギシのメンバーとの出会いが初めて実現したということでした。

 訪問の申込みに関連して、電話連絡をした時に電話に出たみちよちゃん(古橋道代さん 国際NPO ガイア・エデュケーション理事)がヤマギシとの出会いを、木の花のメンバーみんなが喜んでいてくれている、ということを伝えてくれたことを思い出しました。

 本当にファミリーのみんなから、熱烈歓迎を受けて受け入れてもらっていることを感じました。

 その後のいさどんのプレセンテーション、夕食、子ども会議、ウェルカム・コンサート、大人会議、その合間、合間でのファミリーメンバーとの会話、すべてが懐かしくうれしいものでした。

 夕食の時のこうちゃんとの話し、コンサート前後のみかちゃんとの話し、一人ずつの話からも、うたの内容からも、他の喜びを自分の喜びとする生き方を感じました。

 コンサートの後の、大人ミーティング(大人会議)は圧巻でした。夕食後、子ども会議も含め、毎日この18年間欠かさず、自分自身に向き合うことのために毎日を生きている。本当にみんなが幸せに生きていける世界をつくるために、自分ひとり分の地球を本当にしていく、という高い志のものにいきているんだな、と伝わってくるものでした。

 大人会議の後のひと時、「ヤマギシではみんなが集って話し合うのはどんなふうにやっているのですか」というまるで小さな子どもたちが興味津々に聞いてくるかのごとく聞いてきました。僕は、全員集るのは1年に1回か2回だよ、と伝えると「エーッ?そんなんでやっていけるんですか??」という反応だった。
 僕は、もう少し説明の必要性を感じて、いろいろな研鑽会は毎日行なわれていることを伝えましたが、僕自身はこの時、毎日みんなが集まって話し合う、ということに大きな重要性を感じざるを得ませんでした。

 コンサートの時、りっちゃんは「私は今日からアースファミリーの一員です」とか、まさこちゃんは「お昼をいただいたくらいからすごく心地よくて、どっちが家かな・・」という感想発表があり、女性陣の感性の鋭さも感じられました。

春日山訪問

去年12月には木の花メンバーたちが春日山実顕地を訪問。コンサートも開きました。

 

 翌日は、それぞれに希望する農場体験、職場体験でさらに仕事の現場でのファミリーメンバーとの親交で、本当に木の花は、よりよい世界を作っていくために、自分自身、そして自身だけでなく、みんなと共に心を耕し、磨き合っている毎日を暮らしているのだな、ということが実感されました。

 畑や、養鶏場でファミリーメンバーと、そして小さな子どもたちとも触れ合い、いい時間が過ごせました。

 そして、またおいしい昼ごはんをいただいて、熱烈な送り出しを受けて帰路につきました。「いってらっしゃーい!!」

 実顕地に帰ってきて「おかえりなさーい!!」
 春日山と豊里の2ヶ所でたくさんの人が集り、受け入れ研をしてもらいました。それぞれに感じたこと、味わったことを発表し、訪問団が体験してきたことが十分に伝わる集まりとなりました。

 それを聞いたひとたちが続々と訪問するようになり、今まで続いています。

 ヤマギシからも訪問団が行き、木の花からも、12月には春日山、1月には豊里への訪問があり、正月特講へ、内田達也さん(たっちゃん)、古橋道代さん(みちよちゃん)の参加があり、この2月27日からの特講にはいさどん(古田偉佐美さん)、木の花を通じて特講を知ったエコビレッジ関係の人3名の参加申込みがされています。

 今後も、たくさんの特講への参加が予想されます。

 これから、本当にみんなが幸せに生きることのできる世界を、共に作っていく同志相棒であることは間違いないという確信が日を追う毎に強くなってきています。

(春日山実顕地 佐藤元泰)

若者訪問

2月初旬には春日山実顕地の若者たちが訪問