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家庭の生ゴミを堆肥に 【タイ】


タイの日本人向け紙「バンコク週報」に掲載されました。

 バンコクのマンションに暮らす奥さんがゴミを捨てようとしたところ、

 「お母さん、ゴミを何でも一緒に捨てていいの」

と小学生の息子に言われた。

 分別なしで何でも一緒に捨てるバンコクのゴミ事情、これなんとかならないのかと日本人会に相談に行ったところからこの物語は始まります。

 バンコクのゴミ事情を調査してみると、ゴミを集める市の職員は、お金になるゴミは分類して売って自分の収入にしてもよい。

 だから、紙・アルミ缶・ペットボトルなどの未利用資源の回収率はかなり良いと言える。だけど、お金にならない生ゴミは誰も手をつけない。

 バンコク都では、1日に8000トンの生ゴミが出ると言われている。そして、バンコクには焼却炉というものが無く、そのほとんどは焼却せず近郊の空き地に埋め立てている。

 しかし、これはゴミ処理には化石燃料をあまり使っていないということでもある。この膨大な生ゴミをもし堆肥化できたら・・・。

 それじゃ、お金にならない生ゴミをなんとかしようと発足したのが『私達の家庭から出るゴミを考える会』です。各家庭で簡単に生ゴミ処理がでる装置を作ろうと6年前に活動がはじまり、僕もそれに参加した。

 この装置の開発のポイントは『臭いが出ない』ことと『ゴミが消えてなくなる』ことだった。試行錯誤の末、これを一気に解決してくれたのがヤシガラだった。

 ヤシガラはニオイを吸収し、しかも空気をいっぱい含んでいて、高温好気性菌がどんどん増殖して生ゴミを分解してくれる。誰でも簡単にやれて、家庭から生ゴミが出ない。これが実現しました。

 当初からこの装置の開発はヤマギシで全面的にかかわり製作普及もしてきたが、現在は活用する人が日本人からタイ人社会へと拡がりつつあります。

 これは『お金にならない』というところが大事なポイントで、自分でも配送して使う人に実際会ってみるとわかるのですが、なかなか面白い人、味のある人物に出会える。

 そして、どういうわけか美人が多いのです。

こちらでも紹介されています⇒バンコク週報

【タイ実顕地 上田康雄】