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今、内部川実顕地では


 

内部川のたまご市

 11月半ばに本庁人事の人達が来て
「松澤さん夫妻を関東に。もうあと1夫婦を他実顕地に送り出して欲しい」
と言われました。

 松澤さんは養鶏部の技術係で

「いなくなったらどーしたらいいの?」
と多くの人が思うポジションでやってくれています。

「え?一体何を言い出すの?」
とか
「本庁は全然わかっていないんだ!」

 とかの声も渦巻く中、それでも、そんなこと言われたもんだから、急遽3日間の全員での集中研をすることにしました。
テーマは『他実顕地、他職場でやれますか』。

「やれます」と言う人から「こんな研鑽会はしたくない」まで
いろいろありました。

 まぁ、とにかくみんな、そのテーマについて思うことは出したかな。

大根干しの松澤さんの姿もあり…

 この研鑽会では、実際に名前の挙がっている松澤さんが、まず、すごく自分に向き合っていて

「今まで、養鶏部や、内部川実顕地を守ろうとしてきたけれども、どうだったんだろうか?かえって、そのことでまわりを遅らせていたんじゃないか、迷う気持ちもあるけれど、今は関東でやってみようと思う」
と出してくれました。

 それに響いて、自分は一体どこに立っているのだろう?と考えようとする空気に変わって来たように思いました。

 そんな中で、内部川の玉ねぎ定植がありました。

 去年までの玉ねぎ定植は畑メンバーがちょびちょびとやっていました。

 それが、この日は養鶏部から、選卵センターから、生活から、病院帰りの老蘇さんまで、総勢19人で入り合って植えました。19人というのは、内部川の大人の半数なんです。

 各職場や、一人一人の中で「無理だ。行けない」と思っていたことがだんだんとはずれ始めて来たようです。

わが家の玉ねぎ定食



 12月4日には食事会がありました。
今回は初めて仲良し班で運営することになり、1班でメニューから、準備、企画、片付けまで考えて進めました。
班で肉並べや野菜切り、テーブルセットの入り方を検討しました。

 今までなら( )を書いてそこに各自で名前を書いてもらうようにしてきました。しかし、今回は、

「( )ってみんなへの遠慮があるんじゃないかな。こちらからやってもらいたい、一緒にやりたいことを書こうよ」 となったのです。

 それで持ち味だと思われる所へ、それぞれへの意思確認は全くないまま

  • AM8:30〜肉並べ→西面、山下、吉田…
  • PM2:30〜野菜切り→友子、素子、有記…

と1班の全員の名前をロビーのホワイトボードに書いていきました。

 受けとったみんなの反応はいろいろで、ある日の連絡研では職場の代表から、

「勝手に書かないで欲しい!」 と出されたらしいです。

それでも当日には、何か別の用事があって事前に出来ないと聞いていた人の他は全員、その役をしに、来てくれたのです。

 中でも、肉並べは面白かったなぁ。
 メンバーはほとんど男の人で、肉並べは初めての体験です。みんな豚しゃぶ用の肉のあまりの薄さと、作業の繊細さにびっくり!気が遠くなりそうになりながらも、渾身の一皿が出来上がり、

男の人も肉並べを初体験

 西面さんが
「これは『名峰』やな」 と肉にお題がつきました。

山下さんは
「俺のは『川の流れのように』 にする。

橋本さんも
「『クリスマスツリー』だな」
と、次々と命名されていきます。他にも『うず潮』『月下美人』等全て皿に名前がつき、お題をつけてテーブルに運ばれた肉に、みんなの頬が緩みます。

 老蘇さんの小浪さんにはメニュー板を書いてもらいました。賞状などは書いてきましたが、メニュー板は参画して65年で初めて書いたそうです。とても丁寧な字体です。

 翌日にあった仲良し研では
「すごく楽しかった」「気楽で楽しくて、やってみてよかった」 等々。

はじめは

「食事会は食でやることだから、仲良し班でやらない方がいい」
と言っていた人も、

「食事会すごくよかったね〜」 と、ころりと変わっていました。

大根干し

 12月1日からは『職場間 ・大シャッフル大会』が始まっています。

 食生活の冨美子さんは午後は養鶏部に。それに代わって養鶏部の文さんや諏訪さんが午後は食に入ります。

 衣生活の真理さんを研鑽学校に送り出して、食生活の私が今は衣生活で洗濯を任されています。

 老蘇さんの尚子さんは、選卵センターで贈答卵のシール貼りに。稼働してからの選卵センターには初めて入ったそうです。

 養鶏部で青草を見ている橋本さんも贈答卵のシール 貼りに。

 養鶏部の明子さんは衣生活の洗濯畳みに。

 選卵センターで全体の人の流れを見ていて、なかなか抜けられなかった麻利ちゃんが、今日の大根干しに送り出されてきました。大根干しには養鶏部の松澤さんの姿もあり…

 「こんなことしてみようかな」という声を聞けば、そうなるように組んでいけるように毎晩、連絡研に寄り合っています。

 「放す」をテーマにみんなでずっとやってきてみて、人との距離がなくなってきているのを実感しています。変な遠慮や気兼ねはどこかに行ってしまって、その人の心と向き合うしかなくなってきます。それが響き合って、実顕地の空気になってきている感じがします。

 ほんわかあったかい感じ。

 なんかこの頃の内部川実顕地って、自由で楽しくて、仲良くていい感じです。

【内部川実顕地 諏訪花】