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一つの卵を活かす 一つの卵に託す


活かしどころはたくさんある


 衝撃の140,000個!
 年末から年始にかけての供給の休みに伴い卵が大量に余る事を如何にして売るか、効率よく流すか、そんなことを内部川の少ない頭で一生懸命考えていました。
 実際に数を計算してみると140,000個と、とても自分たちではさばくことのできない数に半ば諦めモードになっていたところに以前声かけしてもらっていた建設部、後藤さんから繋がって豊里の方でなにか話が盛り上がりつつあるようなことを耳にしました。
 その辺の盛り上がり、活用例は皆さんに足してもらうとして、僕は自分の具体的な味わいを一つ二つ投稿したいと思います。こういう形(ネット上の文章)はどう書いたらよいのかよく分からず苦手ですがそのままを。

 卵をいかにして少しでも売ることが出来るか、色々と考えていたある日の朝、鈴木敏子さんが部屋に訪ねてきて
「昨日の基本研で内部川の卵のことが少し話題になって、律君が直接豊里の連絡研に出て話したらいい、と出たの行ってみたら」
とのことでした。

 僕はとっさに面倒臭い、という気持ちと、以前少し声かけはしていたので「まあ、行っても特になんてないやろ」と、軽くかわしたら敏子さんから「稲越さんはそういう時、素直に軽く受けて行ってたよ」との返答。
 僕は、「それどういう意味や」と返しました。
 その場は敏子さんが「まあ、考えといてください」と、職場に行かれたのでそのまま・・・うちの有記が「敏子さんて面白いよね、嫌味みたいなことを嫌味じゃないみたいに言うよね」と、僕も「うん、おもろい人や」で終わったのですが、その後選卵センターで仕事をしながら
素直に軽くかあ・・・
などと考えていたら今度は、佐々木久江さんから「律君、連絡研に来てくれませんか!律君の話が聞きたいのです」と、熱烈なお誘い、「うううんん」などと言っていたら
「とにかく、卵がどうでなく律君の話が聞きたい、是非、是非」とのこと、なにか気持ちがスッと変わってすぐ後の選卵の出発研で「昼から豊里の連絡研に行く」と、出しました。

 いざ、連絡研に参加するとまず、永瀬、沖永両氏の「おう、ようやく来たか、土産はないのか」 「なに、無い、持って来るの当たり前やで」
などという嫌味な(愛情溢れた)歓迎を受け(サンプルを持参しなかったのは甘かった)みんなの前で話をさせてもらいました。
「大量に卵があるのですが、売るだけでなく、どうしたら活かせるか一緒に考えて下さい」 そんな風に話し出したのですが知らず知らず自分の口から
「売るだけでなく、どう活かすか」とか、「割卵業者にいくとヤマギシの卵も他の卵と一緒、ただの液卵になってしまう」
「金にならなくても、ヤマギシの卵はヤマギシの卵として活かしていきたい」
そんな言葉が出てきて何か自分でもハッとさせられたようなそんな気持ち。

 普段、自分はすぐに頭に数字が出てきたり、効率が悪いのは嫌だ、無駄だ、とそういう回路でほとんどものを考えていたのですが、自分の中にこんな気持ち、意志があることに何か自分を再確認させてもらったようなそんな気持ちでした。

 一つの卵をどう活かすか 一つの卵に何を託すか とても考えさせられ、味わわせてもらった年末年始でした。

昨年の春から、選卵センターは内部川で


【内部川実顕地 今井律】