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ユートピアの模索―ヤマギシ会の到達点【書籍】


「ユートピアの模索―ヤマギシ会の到達点」 村岡 到さん著

「ユートピアの模索―ヤマギシ会の到達点」
村岡 到さん著

村岡到さんの著作「ユートピアの模索―ヤマギシ会の到達点」が発行されました。
店頭に並ぶのはもう少し先になるとのことですが、全国の書店にて注文・購入することができます。

【実顕地広報部】

ユートピアの模索――ヤマギシ会の到達点

村岡 到  ロゴス 2013.3.15刊行

ISBN978-4-904350-27-0 C0030

46判230頁 1800円+税

村岡さんからのメッセージ

 私は昨年四月まではヤマギシ会についてほとんど知らなかった。ところが、実際に実顕地を何度も訪ねて、ビックリした。そこでは、現在の資本主義日本では考えられない生活を実現していることを知ったからである。

・お金のためではない働き方を実現
・お金を使わない〈無所有〉の生活
・農業を土台とした共同生活を実現
・子どもの創造性を生む〈学育〉
・高齢者の生活・医療を完全に保障

 この五つの特徴を上げることができる。どれも大変な課題である。労働の動機をいかに創造していくかは、ロシア革命いらいの難問であり、〈無所有〉の思想こそ、物欲や領土問題で壁にぶつかっている現実を突破するカギである。農業の重視も自然破壊の進行を止める核心である。ヤマギシ会は現在、日本の農事組合法人のトップに立っている。老蘇さんの笑顔は、高齢化社会の模範的な生き方を示しているし、〈学育〉は教育荒廃を改める筋道である。

 「われ、ひとと共に繁栄せん」を旗印にした山岸巳代蔵の独創的営為は、創始いらい六〇年の今日、改めて注目に値いする、ユートピアの先駆的実践例をなしている。それは、一九世紀の社会主義者ウィリアム・モリスのユートピアにも通底している。一五〇〇人もの人たちが、二六の実顕地を創り、海外六カ国にも拡がっていることは驚異とすら言える。

 ヤマギシ会に関連する研究書を読んでいたら「深海に棲む魚は、おそらく最後まで水というものに気づかないだろう」という卓抜な比喩が引用されていた。そこで生活している人たちにとっては当たり前のことなので、その意味や意義に気づきにくいが、実はきわめて大きく貴重な経験を、ヤマギシ会は積み重ねている。

 私は、一九六〇年の安保闘争いらい社会主義をめざして活動してきたが、ヤマギシ会が実現している生活は、ユートピアの稀有な実践例だと言える。だから、私はヤマギシ会の理念と実態について明らかにしなければならないと考えた。そして、私は〈友愛〉がきわめて大切な理念であることを教えられた。

ロゴス制作チラシ

ロゴス制作チラシ