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実顕地づくり研~実顕地一つの経済編~


今月は本庁研が水沢地区での開催となり、実顕地づくり研は内部川実顕地で開かれました。
水沢では、先週モンゴル実習生の4期生を新たに受入れ、また今回の特講を出発した台湾・中国の人も受入れ、そして全国から実顕地メンバーを受け入れて、色んな人が行き交う賑やかな2日間でした。
昼も夜もロビーが繁盛していました。

研鑽会は「実顕地間一つ財布からの実働」という資料を使って、二日間出し合いました。
今月の末から、全ての実顕地生産物を、これまでの米や牛乳と同様に各実顕地に贈り物として届けていくという仕組みが始まります。
今まで実顕地間で生産物を売買する形をとっていたことで、何か複雑にしている部分があったのか、仕組みが変わることで自分達の中で何か変わるものがあるのかどうか。
まずそんなところから出し合いました。
ミートセンターの今井律さんが、
「実顕地によってはチキンソーセージしか頼んでこないところがあるんだ。ポークソーセージは高いからと。チキソの在庫がなくて、ないのでポークにしてくれないかと言ったら『じゃあそれはタダになりますか?』と言われて、ええっ!!となった」
「ロースハムが大量にあって、長く置けないので早く食べてもらいたいと思って他の実顕地に進めた時に、『ハムは高いからいらない』『タダになるなら、もらう』というような返事が返ってきたこともあった」
と出していました。
食生活の人からも、
「食で前は経営資料をつけていて、購入品を食べることについてかなりシビアにやってた。おでんの具のことでさんざんやりあったこともある。今もその名残があるかもしれない」
というようなことが出されてました。
あまり気にしていないようでいて、意外と自分達の中に損得勘定のようなものがあって、
「必要性に応じて実顕地生産物を自由に活用」していくのを邪魔してるのかなと思いました。

生産物のとらえ方にしても、蔬菜の人が村の人に野菜をたくさん食べてもらおうを食生活にもっていったら「たくさんあるならまず売ってほしい」と言われ持って帰ったという話があって、一人一人観方が全然違うんだなーと感じました。

後半の研鑽会では、生産物というところからまた一歩踏み込んで考えたように思います。
養鶏をやっている実顕地同士で研鑽会をした時に、津木の鶏の育成を船南でやって大きくなってから運ぶという案が出されました。
そうすると船南の人も育成を送り出した後は少し空くので交流にいくかとか、卵が船南で生産できない分は内部川も卵余ってるからそこから出荷すればいいなど出て「これはいいな!やろうやろう」となりました。
でも最後になると「でもそれだと船南の経営的には成り立たないかもしれないから、やっぱり船南に持って帰って検討しないと…」という話になりました。
全体で考えて感覚的には「面白そう」「それは効率的かも」と思っても、やっぱり自分の実顕地の数字が合うかどうかというところについ行ってしまう。
飯田と豊里の豚の話も出ていましたが、そういった「枠」なのか「壁」というようなものがある時はある、という感じなのかなと思いました。
自分のやっているところを成り立たせるのはごく当たり前の感覚、それ自体が壁になっているわけではないでしょうが、つい自分のとこの損得を優先することで何か邪魔をしてないか…という感じなのかな?

実顕地間の交流の送り出しにしても、こういう作業があるから交流に来てほしいと聞いた時に、自分がどう聞いてどう考えてるかなというのは問われるものがありました。

名古屋ファームで、毎日のシフトメンバーを段取りしてる人が、
「名古屋のことだけ考えてると、名古屋最優先!っていう感じにしかならなかったけど、このまえ堺ファームに初めて行って、そうするとやっぱり堺のことも自分のことになるというか、やっぱり交流っていいなと思った」
と出していて、人を交流に送り出すというのは、ただ作業の穴埋めということでない意味があるんやなと改めて思いました。

11月21日から実際に仕組みが動き始めて、どんなことが起こるのか、またみんなで出し合えたら面白そうですね。

内部川実顕地 石角聡