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バルグンヌリ 実顕地訪問の感想文


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バルグンヌリ実顕地訪問、感想が寄せられました。

(29歳・女)

春日山に着いた時、あちこちで待っていてくれたヤマギシの方々が桜の間に注ぐ日差しのような明るい顔で迎え入れてくれました。

ヤマギシは、山岸巳代蔵という先生が提案した無所有、共用、一体を顕した共同体で、その思想を実顕する「実顕地」として真の幸福社会を目指します。最も重要で、核心な生活様式は【研鑽】で、日常全てのテーマについて、みんなの知恵を集め「真理は何か」「本当はどうか」を探求します。研鑽では「聴く」が一番優先されるそうです。自分の考えと異なる相手の考えを受入れて、善し悪しを分ける前に「はい」と受入れてみることです。
その次にその考えを持ってきて探求する過程が研鑽です。実際にヤマギシでは職場別に集まって、研鑽会をしている姿があちこちで見られました。

「金のいらない仲良い楽しい村」とも呼ばれるヤマギシ共同体は、個人の収入は無く、殆どのものを共同で使います。宿舎、食堂、お風呂を共に使っているだけではなくて、理美容室、洗濯場も全て開かれています。今回自分たちにも生活空間を一つ一つ見せてくれたのですが、道中で出会った人たちはみんな各自いろんなことを担当して働いていて、その表情からやり甲斐と喜びを感じることができました。

しかし、このように平和に見えるヤマギシでも実はすごく大変な時期がありました。1995年オーム真理教のサリン事件以降、日本国内の共同体(宗教団体)に対するバッシングが増え、ヤマギシ共同体も不当な誤解と偏見に会いました。マスコミはヤマギシ共同体の精神が入った生活様式にも入っていき、ヤマギシ参画者の寄付や無報酬労働を脱税と見なし、圧迫しました。

それでも、ここで出会った人たちは、見知らぬ自分たちをみんな暖かくて明るい笑顔で迎え入れてくれました。その大変な時期を耐えて、人に対する警戒や恐れ、不信感を持ってもおかしくない筈なのに、ここにいる方々は毎日最善を尽くして、一人ひとりを心で会ってくれました。数多くの誤解と偏見を受けても、その精神を守ってきたヤマギシ共同体の皆さん、世間からのバッシングの中でも黙々とやってきた皆さんの姿から謙虚な姿勢と美
しさを感じました。

この夜、ヤマギシ共同体と私達は触れ合い、夕食を共にしました。言葉は通じなくても、目と体で語り、スマホで単語を調べながら、笑いと明るい心で、お互い良い気運を分け合いました。食事のあとは、その場で集まって用意してきた出し物も分け合いました。私達は子どもたちの歌声と学生たちのサムルノリを、ヤマギシ共同体からはゲームとマジックでその場を盛り上げてくれました。共にする間ずっと笑い声が絶えませんでした。

たった1泊2日共に暮らしただけで、言葉もあまり通じなかったけれど、ヤマギシ春日山の皆さんは私達を家族のように、孫のように心から迎え入れてくれました。その懐の深さに私達はただただ嬉しくて、感謝するしかありませんでした。

別れる前に、春日山の皆さんとみんなで写真を撮りました。春日山の人たちは、私達が見えなくなるまで手を振ってくれました。人の接し方や愛し方を知っている先輩たちに出会えた一日でした。私達はここに生命平和をつくっていく希望を見ました。

実顕地広報部