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スイス交流に行ってみて【平本美穂】


巻き寿司づくり

日本食の会の日で巻き寿司づくり

何を伝えたいか
  どんどん交流に行こう

 最初に、どうして交流に行くことになったかですが、若い頃からこどもが手が離れたら、一度違う文化圏で暮らしてみたいと思っていたのと、母がまだ元気なうちなら行けるかな、と思い、いきなりは行けないので、1年くらい前に意志表示をして、作付けなど、仕事も調整してもらって、行きました。

 10月1日の朝出発して、着いたのは1日の夕方でした。飛行機は17時間くらい乗るのですが時差が7時間あるのでこうなります。迎えはウオルター哲さんが来てくれました。

 最初はゆっくりしたらいいよ、といわれていたのですが、翌日朝元気に目が覚めて、することもないので、厨房に行ったら、日本食の会の日、ということで、いきなり巻き寿司つくりでした。日本でもあまりやってないので、まあ適当にやりました。

受け入れのアグネスさんとは20年位前の研学同期

受け入れのアグネスさんとは20年位前の研学同期

 受け入れは主に文枝さんとアグネスがやってくれました。アグネスは20年くらい前に日本での研学同期で、去年交流に来ていたカスパルのお母さんで、上の子どもも同じくらいの年齢です。仕事は供給の準備で、主に野菜の出荷や値段つけでしたが、特講会場の準備、仕入れ生産物の引き取りも行きました。その道中にいろんな話ができました。スイスでもいろいろあって、今は人数も多い時の半分以下で、それでもやろうとして残っているのが嬉しかっったです。供給の相乗りもしたので、アンドレ、クリストフ、宮部さんとも話しをする機会がありました。アンドレの、生産物を売ろうというのでなく、友達に会いに行くような気持ちで、供給に出かけている、というのが心に残っています。

供給の相乗り

供給の相乗り

 スイス実顕地は参画してない青年も入れて15人住んでいます。少人数でよくやっていると思います。職場は供給と農業と生活の3つに分かれています。

 供給部は朝5時半から積み込みをみんなでやって、出発研後8時に出かけていきます。配送は火曜から土曜です。日曜はクリスマスクッキーづくり、林檎の天ぷらを食べる会、日本食の日、会員幸福研と、毎週人を受け入れての企画が続くので、月曜日にほっと一息です。供給車も、メンバーの高齢化が進む中、まだ10年はやるぞ、というところをみんなで確認して、最近新しくしました。みつぐさんの絵が貼られています。アンテイエは供給に行かない日に、生産物としてのジャムやシロップを手作りしています。

新しい供給車

新しい供給車にはみつぐさんの絵が貼られています。

 農業部は、採卵鶏、豚、肉牛、がちょう、羊、クジャク、林檎、洋梨、胡桃です。行った時は10月でしたので、りんごと胡桃の穫の最盛期でした。どちらも、木から落ちたものを拾います。ガチョウはクリスマスの御馳走用、羊とクジャクは子供たちが遊びに来た時用です。5人でやれる量です。ハンス、哲、宮部、ドミニク、レギーナがメンバーです。供給にも交代で行っています。蔬菜は残念ながら自家用くらいで、供給野菜は仕入れています。

 生活は文枝さん、レナーテ、雪ちゃん。プリンづくりも担当しています。年末の精肉のパックづめなど、手がいる時のお助けメンバーの一役もしています。

 社員さんは、パンと精肉、供給から戻った車の片づけに、1人づつ3人います。中にコソボからの移民も一人いて、コソボ紛争も、こちらでは身近な出来事です。

アンティエさんとジャムやシロップを手作り

アンティエさんとジャムやシロップを手作り

 日本を3ヶ月離れてみて、自分の国の言葉で、どこまで本当に言いたいことを言っているのか、相手の言いたいことが聞けているのか、と改めて思います。スイスの人はみんな日本に来たことがあるので、日本語はかなりできますが、それでも、細かいことを、相手の分かる言葉で、と考える時、日本語の語学力が鍛えられたと思います。平本さんをはじめ周りの人も、いない間のことをよくしてくれたと思います。

 食事について、チーズもパンも、最初は違和感ありましたが、だんだん填っておいしいと思うようになってきました。先日愛和館でもパン食ありましたが、柔らかくてなんだか物足りなかったです。じゃがいもはとってもおいしくて、フォンヂュや、ラクレットというスイス料理はやはり本場ならではのものです。

果樹園

果樹園

 職場を3ヶ月抜けるというのも狙って行った面もあって、戻ってからも、経営資料のことは拓磨さんが、いちご部のことは大森君がそのままやってくれるので、さて、私は何をしていこうかといったところです。生産者として、供給もいってみたいなと思い、毎週金曜日に1コース用意してもらいました。後、自家用菜園との調整ももっとしていきたいです。

 自分も行ってみたいけど、スイス実顕地は仕事量が多いんだって、と声をかけて来た人がいましたが、そんなことは無いです。その人に合わせて、ということだと思います。私が行った時は美里の塗師村勝子さんと2週間重なりましたが、老蘇さんということと、彼女は旅行が好きだったので、それに合わせて暮らしを用意してもらっていました。タイやオーストラリアは日本人の実顕地ですが、スイスや韓国は自国の人が立ち上げた実顕地です。人数は少ないので、流をどんどん盛んにして風を入れ、お互いに深め合って行きたいです。次にどんどん続いてほしいです。

【豊里実顕地 平本美穂】