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春日山愛和館の素麺ゆがき


 

 29日から始まった、英語通訳付き研鑽学校へ、文字どうり諸国からの地域会員と実顕地会員が寄っています。

 そのうちの一人、アフリカのケニヤ出身サファーリ ケンガさんが、半日春日山の生活体験をしました。
 受け入れ職場は食生活部、朝の出発研から。
 みんなの研鑽する様子を観て、感じてもらい、サファーリさんの動きもここできまりました。

 先ずは、オーストラリアから交流の小川ひかりさんと彼と私の3人で農産加工部へ1時間。その後厨房に戻ると、なんと昼メニューの素麺の”ゆがき”をサファーリさんにしてもらおうとなったのです!

 日本の夏ならではの風物。愛和館でも、そう何回もお目にかかれるメニューではない、それを、食べた事も無いかもしれないサファーリさんに用意してくれるとは!!!食生活部のふところの大きさに、私は頼もしさを感じました。

 サファーリさんが白衣に身を固め、大釜で素麺をゆがき、氷でしめる。
 その姿は、真っ白と真っ黒のコントラストが思いっきり美しく、厨房の中は感嘆の声。

 なな瀬さんが、”ゆがき” ”しめ” のやり方をサファーリさんの前でさらっとやって、次は彼に任せる。その落ち着いた心境と姿勢の中に、彼は穏やかに溶け込んでいる。

 彼が生まれて初めてゆがいた麺を彼自身で愛和館のテーブルに出したら!と厨房のお母さん達からの声掛けあり。言葉では伝えないけれど、もてなす心をサファーリさんに先ず味わってもらい、そこからゆがきの作業へ、という配慮がみんなの中からさっと出てくるのに、私はまた感心。

 最初の一桶を持ってのれんをくぐったサファーリさんの嬉しそうなこと、この上なしでした。愛和館のお母さん達の懐の大きさと、温かさに送られて、研鑽学校へ出発したサファーリさんでした。

【加賀実顕地 新村由美子】