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実顕地を参観してみた①【水沢】


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内部川実顕地 養鶏部 石角聡

Cブロックで、B、Aと3つのブロックで有精卵を生産しています。
合わせて2万から2万5千羽位いつもいて。

常に切れないように、4つか5つのブロックが合わさって、じゅんぐりに回しています。

まず、見てもらいましょうか。若雌です。
鶏舎の奥に見慣れない物があると思うんですけど、あれがネスト、自動集卵機というもので今回内部川では初めてつけてみました。
これは既製品で、販売されていた物をつけてみました。

これが産卵箱で、ここから転がっていきます。
「これ1棟みんなやったんか?」
はい。24番の部屋まで一直線に繋がっています。

ちょっと動かしてみましょうか。まだ1回も使ったことないんで・・・
「あっ、卵が来た、来た、来た!」
この卵は、事前に置いといたものです。
「もみがらはないんか?」
もみがらは使わないですね。もみがらが混ざってって事はないんです。
座ってやれるから「腰が…」とかいうのに、いいですね。
みんな、ずーっとやっていると大分、体を痛めてくるからね。
スピードも調整できるようになっているから、ゆっくりになって、だんだん早くなったりして、やる人に合わせたりできます。
「このベルトの上に鶏がとまっとることはないんですか?動き出したら鶏も動くわけ?」
ふたがしてあるから、ベルトに直接乗ってることはない、はずです。
(この鶏は)9月の末入雛だから、もう100日は経っていますよ。産み出す直前です。
「もう産むの?」
今日、顔とかおしりの感じ見たら、もう産むんじゃないかと。
まだ産んでもらったら困るんだけど。早いんだけど。
「100は、いってないよね。あと1ヶ月位だね。今、産んだらだめだわ。体が大きくならないから」
便利だからいい、というのはもちろんだけど、みんな高齢化してきているし、全部これにするかはわかんないけど、新しい試みをやっていこうとすることでの、1つの夢の実現の第一歩というところはあって。
これ以外にも、給水器をどうするかだとか。
天窓、屋根もボロくなっているから、天窓をやりかえるか、もしくは透明の丈夫なトタンにして、光を遮りたい時には、カーテンを天井につけて、とか。
そういうのを、どうしようか、こうしようかと、今、まさに話をしているところで。
まぁ、これから、実現するかしないかは分からないですけど、立ち止まってないで、進んでいこうと思っているところです。
「自動給餌は?」
飯田が自動給餌なんだよね。
一回稲越さんが存命の頃、見に行ったけど実現しないから、どうなんだろう。
「山本さん次第?」
そうそう、実のところそうなんだ。(笑)
「えっ・・・?(汗)」
(モンゴル実習生の)トラガさんとボロドさんが来てくれたことで、若いですから、実際に描きが進んでいくというのはありますね。
とにかく、伝えた事はすぐ覚えてやっていくから、次、何を用意していこうか?っていうくらい。
それは、全体にとってもすごくいいなぁ、と思います。

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内部川実顕地 有機質部門 山本精

豊里から主にバーク堆肥の未熟の物を運んでもらっていて、10トン車で週に4車運んでもらっています。
それを、切り返したりいろいろして、最後、サークルコンポに入れるんですけど、出てきたのがこういう状態なんです。

ここまでが早くて6週間かかります。
それを、本来であればもう少し堆肥舎で寝かせておいて。
実は今、足りなくて、どんどんどんどん出てるんですね、去年の秋くらいから。

これは先週末にサークルコンポから出てきたやつです。
だから、ちょっとまだ臭う。
今日も何車か積んだんですけど、その前に切り返して、臭いを逃がしてやる。
僕たちは、臭いとかマヒしているから、わからないんですけど・・・。
「臭わないよねぇ。」「なぁ・・」
結構民家で散布すると「臭う」という人もいるんで、そういう人に話を聞きながら、風の強さとか撒くタイミングとか相談しながら散布しています。

ダンプの後ろの、これはB堆肥と呼んでいます。
こちらはA堆肥でこちらはふるいにかけています。
木のくずとか入っていない。だから目が細かいです。
B堆肥が1立米500キロが1800円で、こちらが3800円なんです。
「うわ~あ」
だけど、今日もこれ、売れたんですね。
作物によって、その人の考えで変えたりしているようです。
それともう1つは、1番とか2番に入っていた鶏糞があるんですね。
豊里の乳牛とかのバーク堆肥に、美里の肉鶏の鶏糞を14~15%混ぜています。
それと、この近隣で草刈りとかをしている奥村産業さんから草が入って来るんです。
チップみたいな。それも受け入れてそれと混ぜて、6週間かけて4番の堆肥になっています。
だから、じつは内部川の物はほぼないんです。(笑)
食から出てくる循環物くらいなんで、ちょっとなんです。コンテナが2コンそこにあるんです。
あと、美里の循環物。美里の循環物の方が多いんですけど・・・。製菓とか餅とかあるんで。
内部川の有機質とか言ってるけど、あれっ?とか思うときがある。
水沢の有機質か・・?おもに豊里からだなぁ・・。何だろう?って。
この地域は植木屋さんが多いからどんどん使ってもらえる。
鈴鹿に多いんですよね。
今度、愛知県の稲沢までも発注が来ている。4トンダンプで7車くらい走ってきます。
いつもは僕と下間さんと、あと坂倉さんが店番をしている、そういう感じでやっています。
「内部の鶏糞って出ないの?」
内部の鶏糞は出ます。だから鶏糞は鶏糞だけで、ふるいをかけて袋詰めしたり、ふるいをかけなくてそのまま紙袋に入れたり。
おととい位、沖永さんからこの紙袋、あと100袋取りに来るぞ、用意しといてと言われて。
豊里のネオポリスにもだいぶ入っています。
お茶部もこの前までだいぶ内部の鶏糞を撒いてくれて。
だから、1番のサイロが減っているのは、そのおかげです。
「袋詰めとバラ堆肥とどっちがよく売れるの?」
バラですね。立米でいくとバラですね。
袋詰め1袋300円ですね。これを、好んで50袋位買っていく人がいた。
撒くのは撒きやすいし、撒く人達も高齢なので、こっちの方がいいと。
バラの堆肥を自分で袋詰めしていく人もいます。
それは、安いですよ。そういう事がやれるっていうおじちゃん、おばちゃん達はやってくれます。
本当はこちらからもうちょっと近所に撒きに行くくらいしたい。そのうち、何かしたい。
「モンゴルの人は?送り出せないのぉ?力、あるよねぇ。」
そうだね。そのうちね。

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内部川実顕地 直売所「うふっ」 浅井典子 山本精

典子:

直売所「うふっ」はフランス語で「卵」という意味です。
毎月第3日曜にオープンしています。
明日なので、今日はとても忙しい日です。

山本:
屋根の話をいくと、養鶏法が始まる前に、いろいろ内部川で話しているときに
「何か養鶏法で、作れたよ、っていうのがあったら養鶏法の価値が上がるな」
とかいう単純な考えで。
ずっと典子さんが欲しい欲しいって言っていたから「まぁ、しゃーない、作るか!」って言って、材料を後藤さんに用意してもらって「養鶏法で作ろう。」って。
その時には溶接とか、できる人が養鶏法から入って作る、という風にしていたんですけど。
「本当にそれでいいんか」というのを養鶏法の中でも、とか、内部川の連絡研でも話が出て。
そうなったら、自分が関わって作らないとあかん。
結局「養鶏法で作ったんだか何か分からんな。」っちゅう事にも思えてきて。
内部川の人達も「そんなん作るとか知らんかった。」というのが聞こえてきて。
「あ~。なんか、自分達で勝手に盛り上がって、養鶏法でそれで作ってもあまり意味がないんじゃないか。」
とか養鶏法の中で、やっている間に思い始めて。
内部川のみんなが、関わって作る屋根にしたいなー。
じゃあ、自分が養鶏法から帰って来たら準備していって。
本当は12月の日曜市に間に合わせたかったんだよね。典子さんの気持ちは。
それで、年明けになるけど明日にある19日の日曜市に合わせようと。
それで14日にこの形になったんです。
ちょこちょこ溶接したり、加工したりペンキ塗りしたりして。
みんな、ボルト1本でも締めて関わろうと。
東前真理さんも、1本か2本締めとったし。トタンを上に上げるだけの役とか。
花ちゃんなんかは、そこでコーヒーを準備してくれたりして。
で、ボロドとかトラガとかも上のトタンをとめるのを一緒にね。
まぁ、一番高い所は、橋本さんが得意なので「猿に任せるか・・」というのでやってこういう状態になりました。
で、明日どうなるかな、という。だから、今日、参観終わって夕方ここらへんに机を並べて、お客さんの流れを考えて、やってみようかと、考えています
ですから、明日の日曜市も様子を見に来て下さい。

典子:
とにかく、ここは眺めがすごくいいんですよね。だから、地域の人にその辺に座ってもらって、景色を眺めながら、お茶飲んでほしいな、ってのがあって。
でも、月1回やると年12回なんですけど「あ~、いい天気だな」というのはだいたい2回位なんですよ。
まぁ、熱いか寒いかなんですよ。でも本当に眺めがいいから何とか来てもらって、ゆっくりして欲しいなぁーって。
ほんで、卵の物を食べながら、コーヒー飲んで、とか。
そんな、暮らしぶりを見て欲しい。
「毎週やったら?」
毎週ねぇ・・。
新しいメンバーが増えるそうなので毎週案も、ちょっと出てるんですけど。
綺麗になって、で、みんなが手作りの作品を持って来たくなる場所に。
お琴、弾きたくなる場所に。
お茶会やりたくなる場所に。
なんか、ここでしたくなる場所にしていきたいなー、と思います。
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内部川実顕地 選卵センター 山本麻利

徳田さんの所が一番始めになるんですけど。
そこで、卵を湿らせて、すぐ横にブラシがあって洗ったらもうすぐに、この壁際の所に、乾燥ブラシがあって、乾燥されます。
で、紫外線殺菌をします。
で、ここに流れて来ます。

これは破卵検知機です。
日本に、今、一つしかない。白い卵用のはあるんですけど。
穴が開いてたりとか、割れていたりとかしている物は、人間の目ではもう限界があるのと、私達もだんだん歳をとってきて見えなくなります。それで機械で見てます。
白玉は前からあります。赤玉ってのはないんです。
それで、今回お願いして今、まだ開発途中です。
この中にはカメラが入っていまして、赤い光を当てて卵を光で透過しますね。
そうすると、色んな模様が出て来るんです。その模様をこの機械が「破卵」と判断して。
写真をとるんです。1秒間で6枚。それでパソコンが考えて「破卵だ」って、この間で判断する。
破卵の場合は、ここから落ちて来ます。
「すご~い!」
すごいよねぇ。これのおかげで供給に行っても、割れた卵は少なくなりました。
「へぇ~」(拍手・・・!)
それで、計量されて大きさに分かれます。
たぶんこれ(破卵検知機)が画期的!!

すごく大きな事があったので、皆さんに案内しておきます。
みなさんこれ(旧来のスチロールの卵パック・A)ご存知だと思います。
昔これ(A)をやるには、豊里に大きな機械があったんですけど豊里からこっちに移設するときに機械自体のメーカーも、もうなくて、機械も老齢化して、どうなるかっていう話をしていました。
その時から「いずれ、これ(A)を紙にしたいな」っていう話はポツポツあったんですけど。
踏み切って去年の4月にこの15個入りの紙モールドパック(B)になりました。
このデザインは竹内さんに描いてもらったんですけど。

まぁ、こうすることで、資源的にもいい、ということとこれ(A)をやるのに大きな機械と電力がいります。
(Aは)この上にシーラーって言って熱くして、もう1回フィルムをかけるんです。
その人手とか考えたらこれ(B)は卵を入れてパタンと閉めたらおわりっていう・・・。
みなさんの後ろに大きな機械があったんです。けど、もう終わりました。
供給の方は分かるかと。大変でしたよね。
長年これ(A)に慣れ親しんで、こっち(B)考えてくれて。
ほとんどコストは変わらない位でやれます。前はこれ(A)にしおり入れたり、フィルム
かけたりしたのも、これ(B)はここで、賞味期限の判子を押して閉めたら終わり。
それで、再利用できるっていうこと。
あとは個数ですね。昔は15ホールから18ホールと4種類あった。
それはそれで、全種類をくまなく使うっていうのではよかったんです。
が、今、以前よりも卵の量が十分の一まで減って、限られた数の中でどうやっていくのかっていうので、全て15ホールのみになりました。
以前は1㎏パックでしたけど、これ(B)は900g以上という表示に変えることでほとんど何でも入る。
今までは全部のサイズが使えなかったんですけど、この考え方で、くまなく全部使える様になりました。
で、これ1種類になったんで、人手も少なくなりました。
豊里で7人位かけていたのを、今、4人でやっています。だんだん簡素化しているんですけど、中身としては、くまなく全部使えるという・・・。
これは、この1年で1番の私達の大きな革命だった。
「活用者が驚くのは、これ、贈答卵なんですか?って言われる。すごい高級に見えます。」
地域の方も紙モールドパックで買われる。
「次に来るときは、この紙モールドパックで持ってきて下さい。」
って伝えておくと、今日もこれ(B)2つ持って来て、「中身だけ下さい。」って言ってくれる。何日も使える。
こうやって、だんだん浸透していくのかなぁー、って思います。
これが今日一番言いたかった。

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→ ②に続く