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田んぼの広さに驚いた~タイ実顕地~


水田で

田んぼでカモは育つ

田んぼでカモは育つ。糞が堆肥になるのもあってか黙認。

 小学生の頃、年中タイの水田ではお米が採れると習った。

 タイ上空から見える碁盤の目状の水田と水路の美しさには毎回感動する。農業立国の豊かさを再認識する。

 今回タイ実顕地の田んぼを参観して、その広さ(大潟実顕地の半分ほどの広さ)もさることながら、そこで見たカモの話に驚いた。

 代掻きをする田んぼ脇の道に大きな傘の下で休む人がいた。その先には日本で見るカラスの大群よりもっと沢山の何百という数のカモが見える。そのカモは稲刈りの終わった田んぼをジプシーのように移動しながら、落ちた稲や田んぼの中の虫などをエサにして、飼育していて、大きくなったら売りに出されるそうだ。

 空いた田んぼでは当たり前の風景で、カモがする糞は、田んぼの肥料にもなるそうだ。田んぼの持ち主とカモを放す者との間には話し合いもなく、お互いに当たり前のように黙認し合って成り立っている。

エビ工場で

出発研

出発研

 エビ工場は初め、養殖して出荷できないエビを加工し、活用しようとできた。

 エビは欧米や日本に向けてタイの代表輸出品。衛生観念の乏しいタイで、10年ほど前、政府の方針が変わり、輸出の審査基準が厳しくなった。工場の改造より、大変だったのが社員さんの意識を変えることだった。

 手を洗う習慣もなく、字を書いたり、読んだりもできなかった人らにそのことを伝えると、みんな辞めたいと言ってきた。
 毎日話し合いを続けた。子育て中の人が多かった社員さんに「自分ができないことや、やれないことに出会った時、子どもたちにどう伝えるのか」と話した。
 やれないことで終わらせたり、逃げ出すのでなく、今では字が読めなくても朝の打ち合わせで、自分がどこを担当するかを自分らで決めて、一つづつ記録していくことが当たり前になった。書かないと終わった気がしないとまでなってきたそうだ。

 あの社員さん達が年を取った時、子供らに誇りをもって伝える姿が浮かんできた。日本で、嫌なことできないことから簡単に逃げている自分が見えた。どこの地でも一緒にやっているなーと思った。

【豊里実顕地 喜田栄子】