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赤い耳標が100頭のお母さんらです

赤い耳標が100頭のお母さんらです

 

やめられない とまらない

肉牛では初めて。9月度和牛の仔牛が102頭産まれてきます。
ファームだ!楽園村だ!誰を送り出す!誰が行く!と、毎日のように行き交う言葉の中で、人間の思いとは関係なく102頭の仔牛が着実にお母さん牛のお腹で育っています。
一応、肉牛に籍を置く私としてはそれを聞いた時「えーっ!」という驚きと「大丈夫なの?」という気持ちを込めて繁殖部門、仔牛部門の3人に話を聞いてきました。

洋子
5年に1度開催される共進会「和牛オリンピック」に向けて、同じ血統の牛を140頭種付けしたらいきなり102頭受胎。今迄は毎月60頭前後のペースだったのが、受胎率がよかったのか、繁殖部門としては上出来、楽しみなところです。共進会に出すオス20頭が欲しかったので、そのためやれるだけのことはやったよ。仔牛部門からはなんでこんなにつけたのといわれたけど、、、。まぁしばらくは、100頭産まれるよって言えなかったんだけどね。
これからは、和牛仔牛増産に貢献と、コンスタントに産まれるのが次のテーマかな?

果林
武持さんをファームに送り出し、検卵を任され、仕事を引き継いだばかりでよくわかってなかったけど、8か月後にどれ位産まれるかの一覧表を出したら「102」と出て、間違いかと思った。何回やっても102と出る。よく調べたら、受精卵移植でいつもよりいっぱいつけ、いつもより受胎率がよかった。102頭と分かって、「これはまずいことになった。飼育の人らになんて言おう」と初めは繁殖部門だけの秘密で、言えないでいた。前代未聞、昔80~90は飼ったことあるらしいけど、人も牛舎も機械も足りない、2か月ぐらいは言えないでいたかな。洋子さんは繁殖部門のA牛舎でオス20頭を引き取って飼おうと言い出したし、飼育やっていない私としては今もやばいが続いています。
今迄、武持さんは「ボーダーラインです」とか言っていたみたいだけど、私は代ったばかりで余裕がないし、今何頭つけているかも把握してなかった。受胎率も5割いくか、いかないかだったのがその頃からいきなりよくなって、今は6割近くの受胎率で、つける頭数を減らしているのに、頭数が60を下回ることはない。6割いったら、受胎率はかなりいいそうです。
これから?受精卵は生きているので、検卵のスピードが命、すばやく確実に、いかに早く移植するか、採卵したら30分後には牛のお腹に入るように。今、私は顕微鏡の世界にはまっています。

明美
「そんなにいっぱいつけて」と、怒ったら「でかした!となぜいえない」と逆切れされた。自覚がないまま、自分たちの技術があがってしまっていたということかな。1年先のことを、繁殖の岡本ではやっているわけで。子牛を育てる百町の仔牛メンバーは誰も知らなかったので、開けてびっくり玉手箱って感じ。どんな風にするか、どう考えるか、予想がつかないし、???が3つも4つも。受けられるものは、受けるしかないわけで、といっても8月末はもうすぐそこですね。
今迄60頭平均で、40頭増えると1牛舎半増える。乳牛と一緒に哺乳機を2台増やす、肥育牛舎を仔牛牛舎に換えるまでは考えてきた。今は約50頭の仔牛に70リットルのミルクを毎日2回、手で飲ませているけど、おおざっぱに考えて20頭増え80頭、それに100リットルのミルクを毎日2回手やるとなると、どうやって、楽に哺乳するか、腱鞘炎にならないように道具も考えなくちゃ。
まぁ、仕事にしていったら大変だけど、子育てと同じ。やっていくしかない。お母さんとしてのやりどころかな、出来の悪い子を育てる。いや資質はいい子たちだから。どれだけ目をかけ手をかけていけるか。
若い子らが餌やり、草やり、観察、前は人もいて一人1棟でいけたけど、今は一人2棟分見ている。よくやっているし、一人一人の技術レベルが上がるかな。犠牲になる仔牛もいるかも、よくやっているし、なかよくやっていくしかないね。
I need your help みんな待ってまーす。

豊里実顕地 喜田栄子