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広がる仲良しの輪【豊里楽園村】


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8/4~8/9の日程で豊里楽園村が開催されました。

初めて楽園村スタッフをやらせてもらいました。
今年は参加者も多く、楽園村の日が近づくにつれ、初めての私にスタッフが務まるのか不安と緊張が高まりました。
楽園村前日、家で私が「お母さん、楽園村最後までやれる自信がないわ…。」と弱音を言うと、高校生の息子に「自信なんて、やりながらついていくもんだ。」とあっさり言われ、それもそうだと妙に納得して、息子の言葉を励ましの言葉と受け止め楽園村に入りました。

初日、受付の時、子供たちは大きな荷物を持って、汗をかきながらやってきました。
バス停から歩いてきて、会場に着いた時にはもうバテていた子、お母さん、お父さんとはなれる心細そうな不安な顔をしている子、緊張した顔をしている子、いろいろです。
今年は初参加の子も多いからなのか、私にはそんな様子にみえました。
そんな子供たちの様子を見ていたら、急に「あ、私この子たちのお母さんしたらいいんだな。」と思えて、それまでの自分の不安や緊張は一瞬にして消えてしまいました。

スタッフは、10代、20代、30代といる中、40代の私はどんな立ち位置でやったらよいか初日は手探りでしたが、とにかく楽園村は企画が盛りだくさんで、勢いよく進むので、最後一人もかけることなく無事に楽園村を出発できるように、40代の私は勢いよく進む中、二三歩後から歩いていこうと思いました。
二三歩後から歩いて行くとポツリ、ポツリと何かしらありました。
ある小学生の男の子は、みんなが講堂に行っているはずなのに、玄関でウロウロしていました。
「どうしたの?」と聞くと、その前に友達とケンカしたようで怒っていました。
「〇〇がはたいてきて嫌だ」「〇〇はおれより年下なのに生意気だ」「〇〇なんて楽園村にきてほしくない」などなど、よっぽど怒っているんだな、と思いましたが、そのうち自分から講堂に行ってしまいました。ただ、ただ聞いていただけでしたが。

楽園村に来た子供たちは、最初から最後までハレハレ、という子ばかりではありません。
途中、お母さんを思い出して泣いたり、ケンカしたり、楽園村のノリや勢いに今ひとつ乗れず戸惑ったり、気持ちを素直に出せなかったり、その子その子の楽園村があります。
それでも、みんな来た時より、穏やかな、かわいい表情になっていくのを私は生で感じさせてもらいました。

豊里楽園村のテーマは『一歩踏み出し何でもやってみる』ですが、楽園村に来た事じたいが、この子にとってみたら大きな一歩だったんだろうな、と思う子もたくさんいました。
そんな大きな一歩を踏み出してやってきた子供たちが、とても可愛く、愛おしく感じた5泊6日でした。

最後に、楽園村に入る前ある老蘇さんから「楽園村のスタッフやってくれるんだってね。ありがとう。」と声をかけてもらいました。
頑張ってね、とか、思いっきりやってね、とかではなく「ありがとう」という思いがけない言葉に一瞬戸惑いましたが、そのことがずっと楽園村中も、2週間以上経つ今も心に残っています。
老蘇さんが掛けてくれた言葉を、大切に受け止めて、これからもやっていきたいと思っています。

スタッフに送り出してもらって、ありがとうございました。

豊里実顕地 井関絹子

今回の豊里楽園村は、小学生37人、中高生32人その内韓国から13人を受け入れて、2年越しの日韓交流楽園村でした。スタッフも23人(内韓国スタッフ5人)で、総勢92人の近年では一番の大所帯で5泊6日をすごしてきました。
初日は韓国の子達の勢いに圧倒されて、少し引き気味の日本の子達。これからどんな楽園村になっていくのだろうと、少しの心配と大きな楽しみが入り混じったスタートでした。
そんな中高生の緊張を余所目に、日韓の垣根をまず飛び越えた(この子達には垣根なんてないのかな)は小学生達でした。高校生のお姉ちゃん2人が小学生の部屋に遊びに来てくれたのをきっかけに、ハングルの50音表を書いてもらったり、名札に自分の名前をハングルで書いてもらったりと、英語も使えない小学生達が身振り手振りでコミュニケーションを取ってすぐに仲良しになっていました。「見て見て、ここ(名札)に韓国語で名前書いてもらったの、良いでしょう」と見せてくれた時の笑顔はとても印象的でした。
中高生もお互いに「もっと韓国語を覚えたい」「もっと日本の子とコミュニケーションを取りたい」と日記に書いていて、日を増すごとにどんどん仲良しが深まっていったように思います。

企画面では、朝一番にミニトマト畑に行って、自らミニトマトを採って畑で朝食を食べたり、村の職場に職場体験で受け入れてもらったり、小学生・中高生の縦割りチームで韓国の子達が企画してくれた「楽園村運動会」をしたり、村のおじいちゃんに教わりながら竹の水鉄砲を作ったりと、盛り沢山の内容でした。
また。中高生は浴衣を着せてもらい、お茶会も用意してもらいました。
期間中は連日暑い日が続いて、体調を崩す子もいましたが、最後は皆元気に出発して行きました。

今回はスタッフにも学生スタッフにも初めて参加する人が多くいたのですが、その分楽園村実行委員会や各役割(朝食・保安・プール監視・バンド演奏などなど)で沢山の村人に関わってもらい、自分達スタッフは子供達とすごす事に専念させてもらえました。村の底力を感じました。

今年の夏楽をやってみて、子供達の純粋に仲良しになりたいという気持ちをとても感じました。そこには国籍も人種も関係なく「ただ仲良くなりたい」それだけなんだと、改めて楽園村の原点をみせてもらった気がします。ここから仲良しの輪がどんなふうに広がっていくのかとても楽しみです。

豊里実顕地 中江秀晃

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