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別海 ロボット牛舎完成


そんなに“楽”して何をするの?

昨年7月から建設工事を始めたロボット牛舎がこの度完成しました。
これからの実顕地酪農を考えると飼育管理も可能な限り機械化・自動化するなかで乳牛を健康に飼い、牛乳を生産することを目標とした施設も必要になるだろうと研鑽を重ねた結果です。
春日山と同じ国の事業に採用され、自動搾乳機4台や糞尿を排出する方法・機械などはほぼ同じです。違う点は長い冬を考慮した建物であること、飼料の自動給餌、換気や牛舎照明の自動制御が出来る点などでしょうか。
給与する牧草やトウモロコシサイレージを牛舎内に設置したストックボックスに投入しておき、一日に何回、何時間置きにどんな栄養濃度のものを給餌するかを設定しておけば、自動的にストックボックスや穀物のタンクから電動給餌車に設定量が投入混合され餌槽に配らてれていき、同時に牛が食べ易いように餌も寄せていきます。
牛の生理に合わせた照明調整や、季節の温度湿度に応じて天井から下がった換気扇の回転数や方向も変え、壁になる断熱性の高いエアーカーテンを舎内状況に応じ自動調整で上下させ年間を通して牛舎内の環境を良好に管理できることになっています。
排出された糞尿はポンプで300m離れた貯留タンクまで送られ、夏に草地に還元され必要な時はバイオガス発電の原料としても利用できます。
百聞は一見に如かず 厳冬の別海交流はお薦めです。 以下余談。
別海では8年前からトラクターにGPS受信装置(カーナビの様なもの)を付け肥料散布や防除をしています。それ以前は経験と勘で次に走る位置を自分で判断し散布していました。しかし判断を誤ると草の伸びと共にそれは見事な縞模様になり、あれは○○さんが撒いた跡だとシーズンが終わるまで揶揄もされ気の抜けない作業でした。
それがGPSを使うと画面に走る位置が色付けされその指示通りトラクターを操作走らせさえすればトラ撒きにはならないし、夜間でも作業ができしかも自動運転もあり実に便利で無駄の減る効率的な装置です。
昨今、販売店には“GPSがおかしいので畑のどこを走って良いのか解らない直ぐに修理にきてくれ”とスマホをする人も居て、青空のもと目の前に広大な畑が広がっていても見えないというけったいな時代でもあるのです。
人と牛とが接点だったはずが人と牛との間にロボットやディスプレイが入り込み接点が変わったように思えます。画面をチェックするだけの牛飼いであってほしくないと思いますが、しかし一方、乳量も増え、乳房炎も減り、繁殖も良くなったという話も聞くと、さてさて牛飼いは今から何を磨いていきますか?
もし画面で見落とされたらどうなるの?たまには牛舎内に足を運んでくださいよ!と牛さんも一抹の不安を感じ始めているのか、かえって安心した暮らしを送っているのか。
てなことも思いながら、ロボット牛舎を順調に動かすべく関係者は忙しく働いています。
メタンガス発電も順調で昨年の年間発電量は120万kWh、発電機も91%の効率で年間休みなく動いてくれました。硫化水素は相変わらずやっかいですが。
今年はシバレがきつい! 雪も多い! ケガも多い?

 別海実顕地