ページを印刷 ページを印刷

ミカンの花の香りに包まれて【六川】


有田の町の花

有田の町の花

みかんの花

みかんの花

 車で有田の町に入ると、甘い香りが漂ってきた。「ミカンの花?」ミカンの花の香りだと気付いて外を見ると、どの家の庭先にもミカンの木があり、白い花を付けていた。

 上門孝年さん(43)に今年の六川のミカンの様子を聞いた。

上門孝年さん(43)

上門孝年さん(43)

 今は草刈や選定の時期で、花はまだ一割程度しか咲いていない。

 今年は一般では豊作かもしれないけど、六川では裏年になる。みんなが成らない年に、うちが成るようなサイクルにしようと、一般が裏年になる年をねらって、6年ぐらい前から古い木を切って、小木を植えてきた。糖度の高い田口早生の品種に変えてきた。ミカンは早生・中・奥手とあるけど、紅ミカンや12月に高級ミカンが出始めると売れなくなるし、紀南と拮抗しないように12月後半に出す奥手は無くした。

 畑は10年ぐらい前から味の悪い畑を無くして、3分の1位になった。除草剤も5年ぐらい前からやっていない。ミカンの味も違う。

 異常気象で雨がなくて、水が足りなくても木ががんばってくれている。せめてうちらのやれることは、土を悪くしないことだと思ってやっている。人間の力ってしれているし、自分らのちっぽけな力を出すことで、木がそれに応えてくれていると、それはひしひし感じている。草刈も65のおじいちゃんが毎日あの段々畑で頑張ってやってくれている。

 23歳で配置になって20年、ようやく自分が思い描いていた形になりつつあるなーと思う。味が薄いとかよかったでなく、出し始めから終わるまで一貫していい味のミカンを出せるようになってきた。市場では信頼されていて、面積の割には量も味もよくて、足りない気味。一般では貯蔵して、出荷しているけど、ここでは木で完熟させて、酸を抜いて出荷している。

 インターネットができなくて、むらnetにもたどり着けないのですが、これからもミカンを食べて続けて下さい。

上門孝年 六川実顕地

山の中腹から見た六川地区全景

山の中腹から見た六川地区全景


【豊里実顕地 喜田栄子】