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韓国実顕地訪問記


9月1日~5日で韓国実顕地を訪問してきました。

日本とオーストラリアから9人送り出して貰いました。
6月の全国実顕地づくり研[運動編]の終盤、波田さんの「ユンさんも日本の特講に来てください、僕たちも韓国に行きます」から繋がっての今回の交流となりました。

今回、一緒に行く?と声をかけて貰い、行きたい!!と言ったもののどんなところで行ったらいいのかと思っていると、観光のつもりで行ってきたら、と言って貰い、楽しみな気持ちいっぱいで出発しました。

あっと言う間の5日間、一言や一文では言い表すことはできない、いろいろな事を感じてきましたが、ひとつだけはっきり言える事はこれからも実顕地ひとつからの出発で共にやらせてほしい、ということです。セントレアから飛行機で2時間弱、そこから高速で1時間強で韓国実顕地、思っていた以上に近く、気軽に行ったり来たりできそうな、していきたい距離です。

初日は、お昼前に日本を発ち、3時過ぎには実顕地へ到着。生活案内をして貰い、その後は実顕地を参観させて貰いました。2時間かけ、生活館周辺、畑、鶏舎、選卵所と回りました。当初からある愛和館は30年近くなるけれど、使い勝手がよく、本当によい設計をして貰った、という言葉が印象的で、毎日ピカピカに磨きあげられて大切に使われている様子が伝わってきました。

この土地を探すにあたっては、すでに設計図が出来上がっている10棟分の鶏舎を建てることを念頭に時間をかけて選んだそうです。25連鶏舎が10棟ピシッと揃っていて壮観でした。

夕食をいただき、夜はみんなで自己紹介を含め今思っていることを出し合ったり、この5日間をどんなふうにしていくかを一緒に描きました。(この時までほぼ無計画で来たため)
韓国の青年から「日本から若い人が来るので楽しみにしていたら、おじさんおばさんばっかりだった」という発言があり大笑いです。韓国では大学生や、実習生など20歳前後の子が何人もいて、本当の意味で若々しいです。

2日目は3チームに分かれ動きました。私といく子ちゃんは朝は生活で受け入れて貰い、その後は養鶏の卵のパック詰めをやらせて貰いました。旧暦のお盆前ということで大忙しです。

お昼からは近くの、堤岸里(テイガンリ)三一運動殉国記念館を案内して貰いました。
その後焼肉をご馳走になり、美味しさとサイドメニューも充実していてみんな大満足で帰ってきました。
夜は毎日ロビーに寄っていろんな話をして過ごしました。あっという間に日付が変わります。


3日目は観光と地域の青年との交流です。バスと電車を乗り継いでソウルまで行く予定でしたが、天気予報は大雨。実顕地から車で行くことになりました。
こんな時はソンジュン君が運転してくれるので本当に助かりました。韓国では車が右側通行なので、間違えそうにならない?と聞くと、時々あやういとのことでした(汗)
途中からは渋滞でしたが何とかソウルに着くことが出来ました。
明洞(ミョンドン)や仁寺洞(インサドン)を中心に、町並みを歩いたり、お土産を買ったりしました。どれだけ時間があっても足りないくらい、いろいろ見たり、迷いながら選んだりしてるうちに少し待ち合せ時間が過ぎてしまいました。心配をかけてしまったので、次からはちゃんと時間に合わせると約束をして、夕食を食べ、セジョンカフェへ向かいました。
ここは、以前春日山へ実習に来ていた、オクチンさん達ヤマギシの青年会員が中心になって運営しているカフェです。ヤマギシの会員だけではなく、協賛している150人くらいの人が出資して、一緒に描いてくる中で実現したそうです。青春ドリームといって絵画の展覧会などの活動もしていることや、月に1度青年が集まって研鑽会をしている様子なども聞かせてもらいました。実顕地ではどんな事を思って暮らしているのか?研鑽とはどんなことか?地域との関わりとしてどんなことをやっているのか?など次々に質問が飛んできます。韓国の青年の実直さに圧倒されっぱなしでした。オクチンのいきいきとした姿と、装飾がいろんなジャンルに渡っているのに不思議と調和し、和やかな雰囲気の店内が印象的でした。

そして4日目。今日は初日に予定に入れた休戦ライン(軍事境界線・38度線)を案内して貰う日です。
実顕地からしばらく走ると、高速から一瞬ですが社会式鶏舎が見えました。「ユンさん、あそこに社会式鶏舎が見えたよ」と聞いてみると、そこから1960年代にさかのぼり、さらにユンさんのおじいさんの代までさかのぼり、話してくれました。長い時間をかけ聴かせてもらいました。その全てが今に繋がっている話でした。
烏頭山(オドゥサン)統一展望台に着きました。はじめに望拝壇で実顕地から用意してきた手作りのソンピョンとゆで卵を供え、手を合わさせてもらいました。
展望台から見ると臨津江(イムジン川)を挟んですぐ北朝鮮です。広範囲に渡って中洲が見えています。歩いていけるのではないかと錯覚するくらいです。望遠鏡には対岸で畑仕事している人影が写りますが、臨津閣(イムジンカク)では銃をかまえた兵士さんがたくさんいました。近くて遠い場所です。イソンスさんが何度か言っていた「韓国はまだ戦争中」という言葉が脳裏によみがえります。
お昼ごはんに高麗人参入りの釜飯をいただきました。食べ終わっても男の人たちは実顕地談議に夢中です。突然ユンさんが「今の人たちいいね!!」と満面の笑顔。お互い言いたいことを何でも言い合って、意見が違ってもそれを無理に一つにまとめようとせず、それでも何となくひとつの方向に向かっている、と。唯一、シャッターチャンスを逃したのが残念です。

あっという間に駆け抜け、出発の日を迎えてしまいました。全員が出てきてくれ見送りをしてくれています。
キョンスクさん、娘たちのこと覚えてくれていて嬉しかった。遠くから思っていてくれたんですね。一緒にチヂミを作ったのも楽しかったです。たくさん作って少しは上達したかな?
ソニさん、思いがけず20年も前の学食時代の話たくさんしましたね、私もあの時があってこその今の自分だなと思っています。
ヒョンジュさん、これからも繋がり合ってやっていけることがたくさんありそうで楽しみです。
スキャンさん、最後に話してくれた、いつも映画の一番目のような楽しい気持ちでやってきたという言葉がずっと残っています。
そして、ウンソンちゃん、11月の結婚おめでとう!!楽しみな気持ちも不安な気持ちもたくさんあると思うけど、村のお母さんどうし一緒にやらせてね。

少し前まで韓国に自分が行くなんて考えたこともなかったのに、こうして行ってみると毎日韓国のことを思い出したりします。
ぜひまた近いうちに、今度はゆっくり交流で行きたいなと思ったり、もし行けなくてもずっと私の中には韓国実顕地があり続けるんじゃないかと思ったりもしています。
どちらにしても、実顕地ひとつでやっていくことには変わりないかな・・・これからも一緒にやらせてください。

最後の日にみんなで撮りました!!

最後の日にみんなで撮りました!!

【春日山実顕地 奥田なな瀬】