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幼年出発セレモニー


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第31期幼年出発セレモニーが3月13日(日)に春日山学育舎でありました。一年間村中を駆けめぐった元気な8人の幼年さんの出発を共にお祝いしようと幼年舎の広間におおぜいが集いました。アットホームな雰囲気の中で、合奏・歌や彼等の自作自演、振り付け付きで朝ドラのテーマソング「365日の紙飛行機」も披露してくれました。
あなた達と過ごした楽しい一年間でした。
ありがとうー!いってらっしゃーい!

春日山実顕地 平島春美


春、入学式が済んだその夜、「帰りたい」「電話したい」「お母ちゃんがいい~」と夜遅くまでがんばって、泣き泣きやってきた8人でした。

幼年さんの一日の始まりは、先ず目を覚ました何人かの1人が私の部屋の前にスリッパがあるかな? ないよ、お母さんお姉ちゃんの部屋に電気が点いているかな? 点いているよ。誰かが声をかけてきます。「起きていいですか?」、「いいよ」と返事すると一斉に「起きていいって」と伝言ゲームが始まります。更衣室では見た夢の話をひとしきりして、洗面所では顔をチョコっと濡らして今日の髪型の話に花が咲き、お熱を測るときものべつ幕なしでピッピの音もかき消されて、順番待ちの渋滞ができます。この頃は お口 チャックゲームで10分ほどは耐えられるのですが、1人がポロッと口火を切るともう止りません。夜、お楽しみの“読み聞かせ”でようやく口が閉じられ、この1階が静かになります。

暮らしの中でたくましくなったなあと感じられることが沢山あります。ついこの間の夕ご飯ではかおりちゃんがご飯を3杯も食べ、本人もビックリしていました。基矢君はかけっこを100周走るためにピカピカ隊を手早く終わらせ、ついに3月8日、1時間かけて走りました。ちなみに香愛ちゃん、涼也くん、かおりちゃんも100周走りました。瑞貴ちゃん、かおりちゃん、咲和ちゃん、香愛ちゃん、紗ちゃんはジャージに着がえてヘルメット、軍手の完全装備で一輪車のりをがんばりました。青あざを沢山作ったけれど、それでやめることはなく、乗れるようになりました。奏人君は幼年一番の力持ちです。天の岩戸の水運びや散歩で拾った切り株運びでは粘りを見せてくれました。涼也君、本当にみんなとやれて良かったです。いやな思いもあったと思うけど、みんながおもいっきり涼也君とやりあって、言ってくれました。大事だと思いました。

先日、“幼年を考える会”に雪のため参加できなかったご家族が、3月5日・6日のぴよっこ合宿に参加するので懇談の場を持ってほしいと声をかけられました。安全面をどうみているのか、病気やケガをした時はどうするのか、まだ5歳なのにどうしてこの時期なのか等いろいろ率直に聞いてくれ、幼年さんたちとの暮らしを思い返しました。 この村にはたくさんのお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、そして弟、妹がいます。食事しているとき、お風呂に入っているとき、散歩しているとき、畑で収穫しているとき、牛舎に豚舎に行った時、遊んでいるとき、いっぱいいっぱい声かけてもらいました。幼年さんのにぎやかなおしゃべりをニコニコ聞いてくれます。改めて見守られていることを感じます。 先ほどのご家族のお住まいが“イタリア”と聞いて、少しばかり身が引きしまりました。

さて、今日8人が出発します。みんながよく歌って踊った“365日の紙飛行機”のなかに、その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか というのがあります。 君たちらしく、たのしみいっぱいでやってください。

筒井邦子

幼年のお姉ちゃんとして、1年間やってみてを話したいと思います。

幼年のお姉ちゃんというと、はつらつとして、元気いっぱいのイメージが私の中にあります。そういう役を演じるのは楽園村の1週間が限界だな~と春楽を何度かやって感じていました。それで、この1年は無理なく、ありのままの自分でやろうと決めてスタートしました。

偏頭痛になるたびに、子供の声が頭に響いてつらかったんですけど、我慢せずに、「お姉ちゃん今日は頭痛いから、静かに話してくれる?」と頼むと、短い間ですが幼年さんも合わせてコショコショ話してくれました。

お歌や器楽も、私の苦手分野なんですけど、できるふりをしないで、幼年さんの横で一緒に学びながら練習してきました。初めて聴く歌でも、3回目には上手に歌ってしまう子達だったので、とても助かりました。

学生のころは事柄に追われて、あっという間に季節が流れていたのが、幼年さんと暮らしていると、季節折々のものを存分に味わうことができました。春のワラビに始まって、タケノコ、グミ、ミニトマト、クリ、サツマイモ、ミカン、シイタケなどなど、邦子お母さんに「子供を見なさーい」「姉ちゃんもう帰るよー!」と怒られながら、夢中になって収穫しました。散歩では沢山の生き物に出会いました。「このお花きれい!なんていうの?」「なんか変なのがいる~!これ何?」と聞かれるたびに、携帯で一生懸命調べました。学生のころよりも、たくさん勉強になりました。

たくさん叱ったこともありました。初めは、命にかかわること以外は口を出さないで、見守ろうと思っていたんですけど、気になりだしたら止らなくなって、気がついたら口うるさいお姉ちゃんになっていました。こんなに叱られてばっかりでは、幼年さんも大変だな。。。と反省をしていたとき、おしゃべりしていた幼年さんの方から、「幼年楽しいね」「うん、初めは来たくなかったけど、来てみたら楽しかった~」と聞こえてきて、ハッとしました。大変になって、楽しんでなかったのは自分だなと気づきました。

「幼年楽しいね」という言葉はそのあともよく聞こえてきて、けんかしながらも、8人でわいわい仲良くやっているんだな~と嬉しく思いました。最近はもっぱら、「早く幼年終わらないかな~」「あと何回寝たら幼年終わり?」と聞こえてくるので、少し、というよりかなり寂しいです。

中身のギュッと詰まった、かけがえのない1年でした。8人のこれからがとても楽しみです。奏人くん、「ぼく、幼年終わったら、もうここに来ないと思う」と言わず、たまには帰ってきて、みんなに顔を見せてね。4月16日に小学生のあなた達に会えるのを楽しみにしています。

梶山ハイジ

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