ページを印刷 ページを印刷

ヤマギシの村づくり3-(7)


    ヤマギシの村づくり3-(7)

    移り進む実顕地づくりへ 対応新任

    本当の情は〈知的〉なもの

    楽園村 愛和館の暮らしで豊かさ満喫

印刷 → ヤマギシの村づくり3-(7)

今日から7月、新任に就き、新しい半期がスタートしました。
上半期は、1月4日内部川で開かれた「新春実顕地づくり出発研」で幕が開け、美里や堺でのファーム決起集会、5月2日の堺ファームオープン、農繁期の各適期作業交流、韓国養鶏法へと続き、いよいよ7月10日、「ヤマギシファーム名古屋店」がオープンします。また新たに「ひとつ」を顕す場が誕生です。
春日山では、バイオマス発電の建設、クラスター計画による牛舎の増築、磯部養豚部への配置など、躍動感溢れる産業面や、わが家のチーズ工房立ち上げ、地域の人たちとの交流、また、日頃の暮しに光をあて研鑽していける半期だったようにも思います。そんな中、実習生から若手2人が続いて参画し、一緒に村創りをやらせて貰うことになりました。
こうした半期を振り返り来期を描く、銓衡委員会の様子が仲良し研をはじめ、いろいろな場で伝わってきます。
6月の春日山交流会での発表は、どの人も明るくいきいきと話しているのが印象的で、移り進む実顕地づくりの最先端に触れることができました。そんな最先端にのって共に進んでいきたいです。

銓衡委員会の中では、「提案と調正」で思い通りにいかなくてひっかかった例もあがり、出し合い聞きあう中で笑いの内に解決していけたそうです。
日頃、「こうしたい」「こうできればいいな」という気持ちに対して、そうしてもらいたい、そのようにできるには、そこまでの気持ちならそうして貰ったら・・と応える場面はよくあるように思います。
以前の村づくりのテーマの例にもある、お風呂の手すりの提案や、先月の話題・鰹のたたきも、そんな情が大きく左右する暮しの一コマでした。また、この間の供給からファームへの流れの中で、今まで生産物をとり続けてきた活用者に、牛乳1本、卵1つ最後まで届けたい気持ちや、養豚部では今まで本当にお世話になった取引先との間柄など、そこに流れる情と、そこからどう考えていくかは、村づくりをしていく中で避けて通れないテーマがあるように思います。
ひとりひとりの中にある「情」と、一体生活とはどんな関係なのか、「親愛の情に充つる、安定した、快適な社会」で云わんとする、親愛の情で実顕地を創っていくとはどんなものかと探り、今期を描いていきたいです。

1972年発刊の「ボロと水」の第4号の中に次のような資料が掲載されているそうです。

『本質的な人の情には、山岸会であっても、他の人や他の団体であっても変ろうはずがありません。山岸会では、本当の情は〈知的〉なもので、一次的なものや現象的なものに止まらず、永続的な、そして根本的な解決をするように常に心しています。
物乞いする人に物を与えて喜ばすよりも、その人が物乞いをしなくてすむ<自立心>を身につけるように面倒をみるとか、養鶏するなら永続して成功するように、また、その人の幸福生活につながるように考えて働きかけます。だから、一次的欲求の満足を得ようとする考えの人からは、〈非情〉のようにとられる場合があります。
鶏を飼おうと思っても、何のために鶏を飼うのかとしつこく尋ねられて飼わしてくれないし、〈技術〉を求めれば〈精神〉の大事さを聞かされ、鶏が病気になっても直ちに治してくれないし、鶏を飼うのなら特講へ行きなさいといわれ、技術は秘匿して公開しない等々、常識観ではわからんことばかりです。こうした不可解から、会を離れていった人も少なくありません。
我が田に水を入れようとしている人に、百里先の水源池工事に誘うので、カンが立つのでしょうということは、その間の通じ合わなさを適切に物語っていると思います。』(「ボロと水」第4号 「前渉行程論」より)

7月20日からの、北条の子ども楽園村を皮切りに、岡部、春日山、内部川、豊里、西海、そして韓国と、全7会場で夏の子ども楽園村が開催され、今年も多くの子ども達を受け入れます。
今年で40年目の楽園村ですが、当初より「一緒に寝て、一緒に食べる。ただそれだけで」と云われてきたそうです。親から放れ寝食を共にすることの大きさの中で、特に食の部分は楽園村の1日全てが繋がってくる場でもあります。おもいっきり遊んでお腹をすかせて食べるご飯、畑で自分たちで収穫してきた野菜がメニューに出てくる喜び、職場体験を通して命をいただいていることを感じとる子どももいます。
また、大人達は、先月の全国実顕地づくり研で愛和館のことを「実顕地ひとつ」から2日間かけ研鑽しました。
この夏、子ども達も大人達も愛和館の暮らしで豊かさを満喫し、源泉の涵養としたいものです。

春日山実顕地研鑽部

2015年春日山研鑽テーマ

2014年春日山研鑽テーマ

2013年春日山研鑽テーマ