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ヤマギシの村づくり3-(9)


    ヤマギシの村づくり3-(9)

    新しいことをやると、自分の枠が広がる

    守りの姿勢から攻めの姿勢へ

    若者が寄ってくる実顕地に
     (実顕地づくり研鑚会資料より)

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この夏は、全世界の実顕地からも一堂に会し実顕地づくり研や養鶏サミットが開催されました。ブラジル、スイス、オーストラリア、タイ、韓国、日本と6カ国から寄っての研鑽機会が実現し、まずは寄れたこと、名実共に実顕地ひとつからの出発、そして実動へとスタートがきれました。
そんな熱い(暑い)季節から、ふく風の中に秋を感じる9月。今月のテーマは、先月の全国実顕地づくり研運動編や供給の研鑽会で研鑽してきた資料「運動体としての実顕地 その中身は」の中から3つを選びましたが、資料全体を通して引き続き探り、深めていきたいです。この資料は今回初めて、次の世代の人たちで作りあげたそうで、いつになくたくさんの例が活発に出されました。

名古屋ファーム立ち上げの準備過程では、主に水沢地区から送り出しあって進めてきました。チラシや、ポップ(表示)を一つ作るのにも、供給メンバーがアドバイスするよりも、若い人たちで寄って見出し、新しいお店を創っていく楽しさや活気であふれていたそうです。そんなふうに送り出していくと美里での朝市やお店は、残っている人達でやれるだけでもやっていこう!となってきたそうです。
また韓国では、青年活動に長年関わってきた人が、養鶏法から帰ってきた若手2人に「もう青年の研鑽会には来なくていいです」と言われて、こんな日が来るのを、待っていたような寂しいような複雑な気持ちを出していました。そう言った青年の中には、いろんな悩みが出てきた時に、「パッとよい答えが返ってくるより、若者同士であれこれ考えていけるそのことを大切にしたい」と描くものがあるようでした。
ブラジルでは、400人もの子ども達の農場参観を、一度は「無理です」と断りながらも先生達の熱意に押され、「一緒に受け入れたらいいんだ!」と発想が転換し、先生達と準備を進め受け入れが実現できた話を聞かせてもらいました。
春日山でも、今までやってきたことの繰り返しではなく、新しいことをやってみよう!とバイオマス発電や新牛舎建設が進んでいる話が出されました。そしてそんな場を20~30代の人達が任され、立ってやっていこうとする姿は私達にとって大きな喜びです。
以前は村のあちらこちらにあった基本表。その基本表も「作っていく側の人はおもしろいが、いざ出来あがってそれでやるのはおもしろくない」という話が出されたのを受け、今あるものをあえて壊してでも、新しいものを創っていく中に楽しさがあり、そんな場に若者が寄ってくるのでは・・・という意見も出されました。
誰もが「若者が寄ってくる実顕地に」と心底願っていることを確認する研鑽会でもありました。
この間、春日山ではたくさんの人を受け入れてきました。楽園村に始まり、地元農家の人達の参観、地域会員さん主体の夕涼み会、ふるさと村、伊賀の映画祭の大学生ボランティアスタッフの宿泊、参観希望の大学生、そして養鶏サミット。まったく初めての新しいことにもチャレンジし、村あげて迎えることができた元には一人一人の願いがあってこそ、と思えてきました。新しいことをやると自分の枠が広がる。実顕地の枠が広がる、そして社会へと繋がっていく。
実顕地以外の人をいつでも受け入れていくことによって、私の中にある、「ヤマギシの〇〇はこうあるべき」「今まではこうだったから」という決めたものや、自分が受け継いでいこうと守りたいものがあることに気付くきっかけにもなりました。そんな決めているものに気付き、そこを放したところから共に研鑽していけることがヤマギシの村づくりの大切な要素となりそうです。

先日開催された養鶏サミットは、そんな意味でも「ヤマギシ養鶏とは何か」ということを考えていく取っ掛かりとなりました。これからのヤマギシ養鶏にとって、実顕地にとって大きな一歩を踏み出せたそうです。
「まさに時と、空間と、熱意の相乗積に満たされた画期的な研鑚会だった。
『餌袋が重くてしんどいから、自動給餌にできないものか?』『否、それはヤマギシ養鶏ではない』として、そこでとどまるのではなく、自分の思っているヤマギシ養鶏にとらわれる事なく、具体的にも学理的にもそれを研鑽できる場がここに誕生したのだ!」  (村ネットより抜粋)
ヤマギシ養鶏は、平飼いだ、有精卵だ、天窓がある、止まり木が大事、堆肥熱育雛が理想、自動集卵・自動給餌などとんでもない、鶏を運動場へ出すなどもってのほか・・・など知らないうちに、多くが決めたものになっていることに気付きました。
また、新しいものをという時に「変えていこう」となりがちですが、実は自分達は、「本当のヤマギシ養鶏をまだやったことはないんじゃないか」という印象深い意見も出されたそうです。今までの養鶏を受け継ぎやり続けていくことだと思っていた私達から、新しく始める勢いで探り顕していく。まさに大転換期!!です。
早くも、年明け春頃には第2回の養鶏サミット開催との声も聞こえてきます。
守りの姿勢から攻めの姿勢へ。共に進んでいきたいです。

春日山実顕地研鑽部

2015年春日山研鑽テーマ

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