ページを印刷 ページを印刷

ヤマギシの村づくり3-(12)


    ヤマギシの村づくり3-(12)

    この一年、実動を通して為してきた数々

    啐啄そったく同時 通いあってから、研鑽が始まる

    子供達に、どんな場を用意できるのだろうか

         (12月実顕地づくり研・学育編)

印刷 → ヤマギシの村づくり3-(12)

2015年も残すところあとひと月です。
お正月に「新春実顕地づくり出発研」として、一堂に会し「一つの実動」を描きスタートしましたが、ヤマギシの村づくりにとっても、ヤマギシズム運動にとっても大きな1年となりました。
昨年から始まった実顕地づくり研も回を重ねてくる中、9月には岡部実顕地で「関東編」として、11月には水沢地区で「一つの経済編」として、本庁研と合わせて開催されました。毎月「〇〇編」と切り口は違っても、全国から寄って繰り返し繰り返し「実顕地一つから」に立って研鑽できる場ができ、村づくりの中での要となってきました。
5月には韓国実顕地で養鶏法研鑽会が開かれ日本からも多数の参加者がありました。参加してきた人から「韓国実顕地に行くことで、ともすれば自分の中の『一つ』が日本の実顕地の範囲だったことに気付き、実感として広がったし近くなった」という感想を聞かせてもらいました。
また8月には、世界各国実顕地からも参加しての「養鶏サミット」が2泊3日で行われました。ブラジル、スイス、オーストラリア、タイ、韓国、日本から一堂に会したことで、社会式養鶏のテーマに留まらず「皆が求めている新機軸」を見出していく機会となりました。
そんな中、「ヤマギシファーム町田店」が11月にいよいよオープンし、「堺店」「名古屋店」と揃って年内にスタートすることができました。ヤマギシファーム直送便も立ち上がり広がりをみせています。
暮らしの面でも、実顕地間において、名実共に生産物が贈り合いになったことや、全国から(韓国からも)寄ってのお母さん研やその後のちびっこ運動会、各種適期作業交流など、まさに激動の1年でした。

先月上旬、アメリカ実顕地へ6人のメンバーが一週間交流へ行ってきました。
交流の様子は村ネットでも紹介されていますが、「家族以外の者とこれほど愉しく時間を過ごせたのはアメリカに来て久しくなかったかもしれないと感じ入ったツアーでした。まさに『Heart Touching Tour』でした。海の向こうに日本の実顕地があるという感じから具体的に顔が浮かぶ人たちがいるという感じになりました」という中山さんや、「今後はこれを機会にいろいろな人たちがここに来てもらえるように日本のみなさんと繋がりながらやっていきたいと思いました。今回の6人の人に来てもらえて本当に良かったです。パワーをもらいました」という千佳代さん。
交流へ行く前は、「6人も行く必要があるのか」という声もあったそうですが、足を運び、見て触れて感じること、動いてみて初めて分かることや、「日本からもぜひ送り出していきたい」と、畳の上での研鑽だけでは描けなかったであろうものが、数日を共に過ごすうちに双方の中から生まれてきたそうです。
「啐啄同時」(そったくどうじ)とは、卵の中のヒナ鳥が殻を破ってまさに生まれ出ようとする時、卵の殻を内側から雛がコツコツとつつくことを「啐」(そつ)といい、ちょうどその時、親鳥が外から殻をコツコツとつつくのを「啄」(たく)というそうです。雛鳥が内側からつつく「啐」と親鳥が外側からつつく「啄」とによって殻が破れて中から雛鳥が出てきますが、啐啄は同時であり、一致であり、大事な一瞬、今この時です。
意識してそうなったのではなく、そうなるべくしてそうなる世界。お互いに願っているものが同時に合って、一致していた。通い合ってから研鑽が始まる。そんなことを感じ考えさせて貰えるアメリカ交流でした。

12月の全国実顕地づくり研は、「学育編」です。
この1年かけ、「供給・流通」や「愛和館」について、今まで大切にしてきたと思っていることも一度置いてみて、護ろうとしているものに気づき合いながら、新しい発想で進んできました。
「学育」についても、「今までこうしてきたからこうする」「こうしてきたからそうしない」だけではなく、もっともっとないか?とみんなで探っていきたいです。
「子ども達にどんな場が用意できるのか」と大人達が寄ることで何がみえてくるのか、私たちが一番考えていきたいことのひとつでもあります。
年明けに予定している小学3年生以上でのスキー合宿が描けていくことにもなりそうで楽しみです。

今月もヤマギシの村づくりを共に進めながら、新しい年へと繋げていきたいです。

春日山実顕地研鑽部

2015年春日山研鑽テーマ

2014年春日山研鑽テーマ

2013年春日山研鑽テーマ